『不条理サスペンスの中に漂わせたもの。」
今まで見てきた作品とは一味違った不条理サスペンス。
人間が怖い。
性的な女性いじめのシーンがとても不愉快。
直接的なシーンはないものの、言葉や行動で表現させた下品な描写がさらに不条理さを加速させている。
最近、見まくっていた鮮やかなホラー映画作品とは違った汚くてダークな世界観。
人間なんてこんなものだろうという、容赦ないシーンの数々。
そして、あのオチ…
やはり、マリオ・バーヴァは映画界の先駆者だったということがよく分かると思う。
女性にとっては不愉快なシーンが多めなので、オススメはしない。
でも、見終わるときちんと上手く構成された不条理劇だったということが分かる。
正直、今はこういうオチの映画もあるのですぐ結末は予想できたんだけど…
当時は結構画期的だったのではないかと思われる。
マリオ・バーヴァ作品には、いつも綺麗事はない。(ほぼホラー映画系だからかもしれないけど…)
人間は常に悪魔的な本能がどこかにあって、善意は自分のためだったら時にはかき消されてしまうことだってある。
ハッキリ言って、それっていつの時代も変わらない。
人を信用するからこそ裏切られる。
いつか裏切られるかもしれないと思っていても、人を信用したくなる。
人間なんてそんなものだ。
自分のことしか考えてないのに、一人では生きていけない。
この辻褄の合わない本能が、人を悪行へと向かわせえてしまう。
だから、毎回どの作品を見ても違和感って感じないんですよね。
いつもとは違った角度で表現されたマリオ作品。
ファンとしては、見て損はないと思いますね。
ちぶ〜的悪人度5
胸糞が悪くなりますね〜。でも、実際こういう事件ってどこかで起きてそうですよね。
本日紹介した映画は…
ラビッド・ドッグズ (1974)
CANI ARRABBIATI/KIDNAPPED/RABID DOGS
- 監督 マリオ・バーヴァ
- あらすじは…
- マリオ・バーヴァ監督が手掛けたバイオレンス・クライムドラマ。女性を人質に取った強盗団が、強盗に失敗した男の車をジャックする。一行は今後の身の振り方を言い争いながら、安全な場所まで逃避行を繰り広げる。
- (Amazonより引用)