『振り切ったヤケクソ。』
「リサと悪魔」を先に見ると、この作品は明らかにマリオ・バーヴァ監督がヤケクソで生まれた作品なんだということがよくわかる。
どうやら、「リサと悪魔」は評判が良かったものの買い手がつかずお蔵入りになってしまったらしい。(その後は再評価されて世に出てますが…)
だって、「リサと悪魔」をただ編集して当時ブームになった「エクソシスト」要素を無理やり足しているだけだもんね…
監督の名前も自分の名前じゃなくて別名を使っている辺りに彼の怒りを感じますよね(笑)
確かにエクソシストシーンを足すことで、「リサと悪魔」の謎めいた部分に対して明確な答えをくれているのですが…
私はそこがなくても十分「リサと悪魔」は傑作だったと思います。
ファンとしては、こちらの作品は「リサと悪魔」が認められなかった時代への反発や反抗と捉えたくなりますね。
迷い込んだ街からの突然の悪魔憑きシーンにドン引き!
「リサと悪魔」の美しい悪夢が一気に台無しになる瞬間、監督の怒りを知る(笑)
ここまで振り切られると爽快ですが…
あとは、「リサと悪魔」を編集してその間にエクソシストシーンを差し込んだ感じ。
だからあの「リサと悪魔」にはあった素晴らしいラストがない。
それは本当に無念。
だけど、分かりやすすぎて笑ってしまうくらいのエクソシストシーンはそれなりに楽しい。
ただ、悪魔の所業の範囲が狭すぎないか?
と、疑問には思いますけどね(笑)
監督の予想通りか、意に反しているかは分かりませんがこっちの作品の方が話題になってしまったことは本当に切ない。
否定はしませんが、オリジナルの「リサと悪魔」の方をもっと評価してほしいですね。
と、両方の作品を見比べてみるのがホラー映画ファンとしてはツウな見方かもしれません。
ちぶ〜的悪魔憑き度5
本家は真緑のゲロで、こちらは黄緑のゲロ。ちょっとオシャレ。そんなところもおしゃれにしてしまうマリオさんが好きですね。
本日紹介した映画は…
新エクソシスト/死肉のダンス (1975)
LA CASA DELL' EXORCISM/THE HOUSE OF EXORCISM/DEVIL IN THE HOUSE OF EXORCISM