どうしても、お昼の後って舟をこいじゃいます。
眠気との戦い。
それでも必死に仕事をしなくちゃという意識と超葛藤。
ハッと我に返ると知らない間にPCに打ち込んでいたらしい得体の知れない文字が並んでいる。
.....解読不能。
打った記憶すらありません。
私は一体どこまで飛んだんでしょうか。
果てしない宇宙の彼方と交信したみたいです。
あらすじは....
玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。
「川の底からこんにちは」は、アクが強くてしぶといところが好きだった。
でも、どうしてあんなに海外で絶賛された「そして父になる」 が、日本アカデミー賞では最優秀作品賞を獲れなかったのか。
正直、見るまでは信じられなかった。
大渡海という一冊の辞書を何年もかけて作った編集部たちの話。
映画を見終わった後、本を読み終わって閉じた時に一息つく感じと似たような感覚に陥る。
そのあとに、そうか。そういうことか。と納得できた。
ここは日本。
日本アカデミー賞は日本映画のためにある。
そして、この映画には生粋の日本が見えるのだ。
人は言葉で自分の気持ちを表現する。
言葉を綴って自分も形成する。
その言葉には意味があり、使い方もある。
辞書には、当たり前のように正確な言葉がある。
時代と共に生まれ、使われ、無くなっていく言葉。
それを一から文字にして一冊の辞書にする。
想像しただけで卒倒しそう。
途方もなさすぎて想像もできない。
それでも毎日一つ一つ、何十年後かにできるものをコツコツ作っていく真面目さ。
まさに日本人特有の気質。
これぞ、誇れる日本人の才能である。
地味にただ淡々と進む。
物語も黙々と流れていく。
その中でちょっとずつ自分をみつけ、辞書と共に生きていく人たち。
松田龍平演じる馬締は、辞書を作っているのに言葉をうまく使えない。
心の中で思っていることは、結局言葉にしなければ相手には伝わりにくい。
言葉を見つけ、知ることで言葉を出すこともできるようになっていく馬締はやっぱり応援したくなる。
実直に演じた松田龍平が自然すぎて地もそのまんまかと疑う。
わざとらしさを一切感じさせないセリフ回し。
簡単そうに見えるこの役。
でも、きっとこの人以外はできなかった。
今回ばかりは日本アカデミー賞を認めたい。
他のキャラクターは、きれいにうまくまとめられている。
やりすぎないように、気を付けているかのように。
ハッキリ言って賞狙いな作風。
丁寧でマジメ。
でも、嫌味はない。
ザ・ジャパニーズムービーだから非難できない。
やっぱり私も日本人だ。
日本語は美しい。
奥が深くて難しい。
まるで大きな海で舟を漕ぐようなもの。
目的地はまだまだ見えない遠く先。
それでもいつか辿りつく日のために今日も舟を漕ぐ。
そんな風に人も生きていく。
言葉も同じ。
死ぬまで知ることができる言葉はいくつだろう。
言葉に乗せた気持ちを何回伝えられるだろうか。
毎日書いているこのブログの言葉に自分を映せる喜びを改めて感じる。
明日からは、もっと言葉を大切に使おうと思います。
ちぶ~的にゃんにゃん効果度5
デブにゃんこがつなげる馬締と香具矢の出会いのシーンが意外。大真面目人間だからこそ恋にはドッカーンと落ちるのだろうか。私的には宮崎あおいよりにゃんこがかわいかった~。