青春は大人になってからもやってくる。
若い青春とは違うけれど、深みを増して帰ってくるのだ。
私の青春はまたやってくると信じたい。
心を熱くする情熱をまだ見てみたい。
何歳になっても青春は終わらないはずだ。
それは恋愛だったり趣味だったり。
青春は人を成長させる。
そして、気づかせる。
まだ見ない未来に輝きを添えて。
と、「わが青春のマリアンヌ」を見ながら思って黄昏てみた。
ウトウトしたのに青春への憧れだけは残った不思議な魅力。
解説.....
森に囲まれた寄宿学校。そこに新入生ヴィンセントがやってくる。ギターを弾き動物を愛する繊細な青年。学校の向こうに湖があり、その対岸に「幽霊屋敷」があった。いたずら仲間と探検に行った彼は、そこでマリアンヌという幽閉された美女を見つける・・・。巨匠ジュリアン・デュヴィヴィエのロマン満ちあふれる青春映画の傑作。
「トラウマ映画館」で紹介されている一作。
最近、この本で紹介されている作品が続々とツタヤの発掘良品コーナーでリリースされてうれしい限り。
やっと見ることのできた映画。
「銀河鉄道999」のメーテルのモデルにもなったといわれるマリアンヌが幻想的で儚い青春を象徴している。
ロマンティックで夢のよう。
現実と妄想の狭間できらめく恋の輝きが眩しい。
まずはつっこみたい。
なかなか無理がある。
どうみても20代後半の役者が短パンを履いている。
美少年という設定も微妙すぎて困る。
この時代は、リアリティへの追及がゆるかったらしい。
そして、展開もゆるめで幻想的なのでおネム。
そこを抜きにすれば、青春の恋愛を繊細に紡ぎだした作品と言える。
現実よりも理想が先走る。
真実よりも自分が信じたいものを信じる、若さゆえの恋愛。
憧れと求めている愛情が混在し、恋愛が押し付けになってしまう幼さ。
人を好きになるってなんだろうと首をかしげる。
大人になればなるほど、若かりし頃の恋愛は果たして恋愛だったのかと疑問を抱く。
相手を深く知らずとも好きになってしまう恋愛は結局はそこに自分の理想を見ているだけな気がする。
好きな人がいる自分。
好きな人を好きでいる自分。
相手への愛情よりも自分への愛情が勝ってしまっていたりするのではないだろうか。
青い春は、まだ染まることを知らない花びらなのである。
無知で無垢。
いずれ、花は散るということも分かっていないように、人を愛するという意味すら知らない。
だからこそ 恋が幻想的で美しく映る。
すぐ消えてしまうような儚さだからこそ美しい。
手に届かないものを眺めることしかできない切なさ。
その魅惑に魅了され囚われる心。
現実とは全く違うかもしれないのに、恋愛の罠に引きづりこまれる。
それって本当は怖い。
これは、本当にロマンティックな淡い恋の話だろうか。
私にはどうしても早熟な恋は、バラの花のように美しく怖ろしさを秘めているようにしか見えない。
そして、それも時が経てば懐かしき青春になるのだから質が悪い。
ちぶ~的ああ、美しき青春度4
ザ・青春なのに、主要人物が老けているのでどうも違和感がぬぐえない。別に大学生くらいの話でもよかったのではないだろうか。無理しすぎはいかん。