ストーブがやっぱり壊れそう。
毎年新しいストーブを買うなんて本当に勘弁してほしい。
換気でこんなに止まるなんて異常。
どう頑張っても部屋が温まる前に止まる。
毎日寒い....
私のストーブは呪われているのか。
誰かの怨念か。
寒さの恐怖と買い換えるかどうかの葛藤で自分の部屋にいても気が休まらない。
「恐怖と欲望」もそんな緊迫した状況で起きる精神の破綻。
あらすじは....
空軍所属のコービー中尉(ケネス・ハープ)、マック軍曹(フランク・シルヴェラ)、シドニー二等兵(ポール・マザースキー)、フレッチャー二等兵(スティーヴ・コイト)は、戦地で敵に撃墜されてしまう。敵陣の森に墜落した彼らは、いかだで川を下って脱出するというプランを立てる。だが、翌日4人は洗濯中の女性(ヴァージニア・リース)に見つかり……。
今まで公開されることのなかったキューブリックの幻の作品。
完璧主義のキューブリックが自ら封印した作品らしい。
本人の意思を無視してまで公開した作品の価値を見る。
戦争という極限状態。
人間性を失っていく恐怖。
初期作品ながら鋭さが光る。
が、眠すぎて恐怖より眠気が勝った....
やっぱり戦争映画ってのはどうも苦手だ。
時代背景や歴史的背景が分からないとどうしようもできない。
シンプルに戦争の怖ろしさというのは語られすぎていて新鮮味がない。
どうしてもダラダラと流れていく時間が退屈になってしまう。
それでも、精神的に狂ってしまうシドニーニ等平は直球でゾッとする狂いっぷりが突き刺さってくる。
タイトルにもある恐怖と欲望。
恐怖は、単純に戦争という特異な空間に閉じ込められる恐怖と捉える。
欲望は、押し込まれた中で余計増長する本能の飢えに見える。
戦争だから許される殺人。
人道的に外れている行為が許されてしまう異常な領域。
正常がむしろ見当たらないという怖ろしさ。
人はそこまで残酷にはなりきれないということだろう。
逃げ場を失った心は、形を変えてでも逃げ出そうとする。
それが狂気となる戦争が残す傷跡。
一体、人は戦争で何を得ようとするのか。
名誉か、金か、支配か。
手に入れるために払う代償は計り知れない。
それなのに、罪深き行為は今もなお消えていない。
それが人間の一番の欲望の塊の象徴であり、恐怖だ。
キューブリックはすごい人でしょう。だけれども、眠い時は眠い。巨匠の作品であれど合わないものは合わないのである。