爽快。
そうかい。
気分が躁かい?
あまりにもハイテンションが続いている人を見ると一歩下がってしまう。
危険人物だと判断する。
何がそんなに楽しいのか。
行き過ぎた明るさは怖すぎて関わりたくない。
ある意味、ずっと憂鬱そうな顔をしている人よりたちが悪い気がする。
自然が一番。
ハワード・ホークスの「暗黒街の顔役」を現代風にリメイク。キューバからアメリカに渡った青年が、死に物狂いで暗黒街にのしあがっていく姿を描く。3時間近い長尺を徹底したバイオレンスとスラングの洪水で埋め尽くし、A・パチーノの力演共々、比類なき迫力を持って観る者にせまる。
ブライアン・デ・パルマ 監督作品。
この人の作品に基本的に好き。
3時間という長時間に耐えられるか不安になりながらも、ファンとしては見ずにはいられない噂の名作。
アル・パチーノ×ギャング。
王道のギャング映画。
もともとこのジャンルは苦手なのにアルが主演だとなんだか見れてしまう不思議。
スカッとするくらいのどん底を見る。
落ちるならとことん堕ちる。
男の美学、ここにあり。
コテコテのギャングファッション。
大げさで分かりやすい。
デパルマカラーが迫力をつくる。
アルのやりすぎの演技はデパルマ映画だからこそ生かせる。
賛否両論あったらしいが、私はこれで正解だったと思う。
天性という言葉がある。
その言葉がピタリと当てはまる。
なるべくしてなった男。
決して逃げれない運命だったのだろうと思わせる。
本能が選んでしまった顛末。
名誉に金に女に酔う。
今まで見たこともなかったものを手にする歓び。
その自信は力になり、欲をさらに駆り立て止まることを忘れてしまう。
世界は自分のもの。
手にするために生まれてきた。
最後まで手放したりなんかしない。
究極の愚か。
顔の傷がうずく。
流れるのは止まらない血。
最後まで決して終わらない渇き。
一体、この男はどこへ向かいたかったのだろう。
きっと本人すら分かっていないくらい頂上へ達してしまったのだろう。
そう。
悪魔のように愚かで怖ろしい領域へ。
欲望の頂点は忌まわしい。
人は、すべてを手に入れてはいけない。
それなのに、すべてを手に入れたくてその衝動を原動力にする。
その矛盾は、どうしようもない人間が生まれながらにもってしまった罪なのかもしれない。
ちぶ~的ぶちかます度5
ラストの銃撃戦は圧巻。シビレル。セーラー服じゃなくても快感だろうと思う。このテーマはこういう結末がふさわしい。そうでなくてはいけないとも思う。