あぁ、寒い。
気づけば冬は始まっている。
ストーブと扇風機が部屋の空間を狭める。
季節が変わるのは早い。
常に空間は装備しておかないと....
怠け者は、その変化についていけずいつまでも2つの季節を同居させてしまうのです。
「スペース・ゾンビ/吸血ビールス大襲来(完全版)」の"変化"も同居させてしまった結果の顛末ですなぁ。
解説......
ある日、突然ゾンビと化した農夫たち。 実は魔のゾンビ・ビールスによって空気感染した犠牲者達だったのだ。 次々とゾンビ化する村人を青年ジェフと不良少女ジュリーが追う。 その頃、米軍のサンダース将軍はゾンビ壊滅作戦を実行するため、大統領に核兵器使用許可を嘆願するのだが・・・
ゾンビ映画のカルト作品。
グレン・コバーン本人によるデジタル・リマスター完全版で初DVD化。
冒頭、監督のあいさつがあってなんだか心が温まる。
23歳で映画を作っただけで尊敬しちゃう。(これが初監督作品)
30年前のVHS発売時には、カットされたシーンを加えたらしい完全版。
「バイオハザード」の空気感染や「バタリアン」の核兵器爆破等を先取りしていたという発見。
そういうところがカルト映画の面白さ。
だけど、カルトなのでZ級です。
それでも愛すべきスペース・ゾンビは甘美。
襲来は突然。
風にのせてやってくる。
止まらない血。
こりゃ、すごいぞ。
拍子抜けするほど陳腐だ。
ゾンビは白塗りで青い線が入っているだけ。
きっと青い線は宇宙を表現したのでしょう。
軽快な音楽が何やら楽しげ。
と、思ったらもうゾンビ化。
宇宙人は空気感染で侵略できるらしい。
そうか。
なぜ今まで思いつかなかったのだろう。
人知を超える力を持っているのだからそれくらい容易でもおかしくない。
のどかな農場でのどかにゾンビ。
襲うなんてそんな低俗なことはしない。
侵略は誘惑だ。
ちゃんと説得してくる。
人間らしさを失わずゾンビ顔で、ゾンビの良さをアピールするのだ。
なんということだ。
ヤラれた。
有無を言わさず暴力で仲間を増やそうとしない。
それでは意味がないと知っているのだな。
やるな、スペースゾンビ。
さすが、宇宙からきただけある。
ユーモアも決して忘れることはない。
「バタリアン」の前に、ゾンビコメディを作ったのは称賛しなければいけない。
そして、世界は笑いを忘れてはならない。
どんな時でもだ。
宇宙人ですらそれが分かっているのだから偉大だ。
ちぶ~的ナイスゾンビ度5
こんなに安っぽいゾンビを見たことがない。捕まった所長ゾンビはハートのパンツだし、おふざけばかり。なのに、なぜだろう。誰にも薦めてはいけないのに、誰かにこの面白さを共感してほしい欲求に駆られるぜ!