ホラー映画さえあれば!

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採用「太陽」

ここはブラック会社である。

 

派遣として1年くらいは働くことになりそうだが、決して社員にはなりたくない。

 

そろそろ次の職場を考えなくてはいけない。

 

しかし、マジで応募するところがないくらい仕事がない秋田。

 

面接が超嫌いな私。

 

採用の基準なんてそこそこ普通そうだったら、結局は面接官の好みで決まる気がする。

 

思ってもないことを言わないといけない苦痛。

 

つまらない駆け引き。

 

吐き気がする。

 

それでも働かないとけないので、自分を取り繕う。

 

どの会社も決まってからが本番だ。

 

とりあえず、ぼちぼち何かかしらの活動をしようと思います。

 

 

「太陽」もぼちぼちなペースで進むので居眠りにご注意を。

「太陽」


 
あらすじは....

1945年8月、待避壕(敵の砲弾などを避けるために掘った穴)もしくは生物研究所で暮らしていた昭和天皇ヒロヒトイッセー尾形)は、自分を神と崇める側近たちに孤独を覚えていた。唯一の安らぎは生物標本を眺める時だけで、戦争終結に苦悩する天皇は日本が焦土と化す悪夢にうなされる。そして、連合国占領軍総司令官マッカーサー(ロバート・ドーソン)との会談の日が訪れる。

 

 

ロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフが、昭和天皇を主人公にした問題作。

 

神と崇められ、戦争に翻ろうされた天皇

 

終戦から「人間宣言」へ至る苦悩と孤独を描いた作品。

 

これを日本人ではなくロシア人が作ったという驚き。

 

ロシア人から見るこの日本は相当滑稽に映っただろう。

 

独特の色彩。

 

個性派俳優たちが綴る現代では考えられない日本。

 

その太陽は一体何を照らしたかったのだろうか。

 

 

 

冷たいのに、芯までは冷えていない。
 
温かくはないけれど、まだ温度は感じられる。
 
不思議な雰囲気がひんやりしたりぽかぽかしたり。
 
高貴で詩的なのはわかる。
 
"太陽"というタイトル。
 
それは太陽の影に隠れた真実という意味だったのだろうか。
 
映像もグレイの色彩。
 
決して太陽のようにまぶしい光があたることはない場所を映し出す。
 
天皇の"神"という呼称にはふさわしくない真逆の歴史。
 
ぼそぼそと独り言のように話す天皇
 
神にさらに"お"をつけて"お神"と呼ぶ侍従長
 
狂ってる。
 
普通ではない。
 
歴史が分からなくても異常だったのは伝わってくる。
 
静かで繊細。
 
ゆっくりと穏やかにおかしい。
 
だけど、すべてが塩分控えめといった感じでイマイチ本当の味は噛みしめられない。
 
これは天皇の苦悩を描いた映画なのか。
 
それとも「終戦のエンペラー」 のように史実を描きたかったのか。
 
最後までみてもよくわからない。
 
とにかく丁寧な心理描写が難解すぎて心が折れそうになる。
 
詩的と言えば聞こえがいいが、まるで芸術が分からない凡人にピカソの絵を批評しろと言っているようなものだ。
 
私には天才を読み解く才能が足りない。
 
最初に「終戦のエンペラー」 を見てしまったので、余計混乱したのかもしれない。
 
アレクサンドル監督が描きたかったのはきっと「終戦のエンペラー」 とは全く違うものだったのだろう。
 
現実がまるで幻想のように感じてしまうくらい見えない場所にいた天皇
 
世間と天皇の現実との格差。
 
天皇はただ普通の人間として生きたかったに違いない。
 
神だと崇められることに恐怖すら感じていたのではないか。
 
虚像で塗り固められた日本とその天皇を神だと信じて疑わなかった国民。
 
日本帝国と名乗って世界征服さえ叶うと信じていた時代。
 
北朝鮮が狂った国だと今は言える。
 
だけど、その昔日本が犯した罪はその北朝鮮と実は変わらないくらい異常だったということ。
 
それだけはけっして忘れてはいけない事実。
 
天皇もまたその犠牲者だった。
 
罪を辿ればまた罪が。
 
どこもかしこも、終わりなき人間の欲がまみれているのだ。

 

 

 

ちぶ~的クセ者度5

主演を演じたイッセー尾形の演技がすんごい。カジュアルでおかしくて。それを最後の最後に受け止める桃井かおりもまたすごい貫禄。それだけでも見る価値あり。