ホラー映画さえあれば!

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無表情省エネ悪人「アウトレイジ」

今の職場、気持ち悪いくらい静か。

 

仕事中、会話をほとんどしない。

 

会話が飛び交っていた頃が懐かしい。

 

どの人も楽しそうじゃない。

 

表情がない。

 

民間の会社じゃないところって特殊なのだろうか。

 

とっても不思議。

 

だからパワーは使っていないだろう。

 

仕事だって民間に比べれば守られてるし、平和。

 

定時にほとんどの人が帰るなんて、驚きである。

 

今までの私の仕事って一体なんだったんだろう。

 

 

 

大きい組織だからこその決まりごとの多さが鬱陶しい。

 

アウトレイジ」みたいに、好き勝手言えればいいのに。

アウトレイジ


あらすじは...

 

関東一円を取り仕切る巨大暴力団組織・山王会組長の関内(北村総一朗)が若頭の加藤(三浦友和)に、直参である池元組の組長・池元(國村隼)のことで苦言を呈す。そして、加藤から直系ではない村瀬組を締め付けるよう命令された池元は、配下である大友組の組長・大友(ビートたけし)にその厄介な仕事を任せる。こうして、ヤクザ界の生き残りを賭けた壮絶な権力闘争が幕を開けた。

 

ええ。そうなんです。

 

いよいよ続編のビヨンドが公開なので、おさらいに「アウトレイジ」を書きたくなったのです。

 

 

北野ワールド全開。

 

でも、これは今までと毛色が違う。

 

エンタメ要素がびっしり。

 

それでも”暴力”が訴えるものを忘れない。

 

たけし軍団以外の俳優をふんだんにつかった贅沢なメンツ。

 

新鮮な顔ぶれに北野の新要素が絡み合う。

 

料理ならミシュラン三ツ星。

 

それなりに売れたけど、記録より記憶に残る映画。

 

何回見ても同じところで笑うバイオレンス。

 

こういうの大好きだ。

 

 

北野武

 

監督から主演までする。

 

この人の笑いへのこだわりは異常。

 

センスのかたまり。

 

どの作品を見ても人の心を鷲掴みにする力がある。

 

監督としての北野武は、芸人という柱があるからこそ自由にできる。

 

俳優としての北野武もそうだ。

 

それなのに、どうしてこんなにもうまいのだ。

 

笑いをとることと、演技することは同じなのか。

 

たやすくできる才能がうらやましい。

 

セリフの言い回しから演出まで、すべてがピッタリ。

 

それはすべて自分でこなしているからこその一体感。

 

本当に頭のいい人は器用で要領がいい。

 

無駄なことさえ無駄にならない遊び心。

 

アウトレイジ」ではそれが爆発。

 

椎名桔平との相性もバッチリだった。

 

北野武に合わせられる俳優も多くはないはず。

 

今までそんなに好きではなかったが、椎名の男らしさにノックアウト。

 

入れ墨を映したいがために作ったベッドシーンなんか、鼻血が出るかと思ったほど。

 

そして、似合う男の友情。

 

私もこんな弟子がほしい。

 

 

加瀬亮の初かもしれない分かりやすい悪人役もなかなかだった。

 

今どきのヤクザは、頭で行動する。

 

こういうやつが曲者だ。

 

新境地開拓。

 

 

小日向文世のリアルさは怖い。

 

刑事だからとかヤクザだからとかそんな境界線はない。

 

まさに人間の愚かさの象徴。

 

私やヤクザより悪人に見えました。

 

 

北村総一朗は、いつもと同じ。

 

ちょっと笑う。

 

怖がらせようとしてるんだけど、今までのイメージが抜けない。

 

それも計算ではないかと思う巧妙さが好き。

 

 

やられっぱなしの中野英雄の顔芸も最高だった。

 

 

石橋蓮の歯医者にての拷問シーンは、腹をかかえて笑った。

 

私は鬼畜か。

 

 

俳優の使い方、よく分かってらっしゃる。

 

ハマるキャラ、見入る観客。

 

この映画は完全なるエンタメ。

 

楽しければいい。

 

ホラーとコメディの境界線を知る。

 

恐怖が行き過ぎると笑える。

 

笑えなくなると恐怖が襲う。

 

いつだってそうじゃないか。

 

人は何かの狭間に立っている。

 

どう転ぶかは自分次第。

 

バカヤロー。コノヤロー。

 

それは、もしや魔法のことばだったりして。

 

罵声を浴びさせ、自分のいるべき位置に。

 

邪悪なものは吹き飛ばす。

 

全員悪人。

 

それは、見ている人もそうなのです。

 

 

ちぶ~的イタタタ度5

”リアル指切りげんまん”と”ヤブ医者にひっかかった場合”は必見エピソード。