就職活動中の今。
自分に合ってる仕事は何なのか。
できることって何なのか。
したいことって何なのか。
そんなことばっかり考える。
何が正解か全くわからない。
好きなことが分かってても仕事につながらない場合。
生きるためにはできることをするしかない。
生活苦をしてまで、したいことを追及しようとは思わない。
それがかっこ悪いとも思わない。
私は普通で十分だから。
「アキレスと亀」を見て、”本気”だったら何も考えずにただやるんだ。
それが当たり前なんだ。ってこと。
そんな姿にちょっとカッコイイと思ってしまった。
あらすじは....
絵を描くのが大好きな少年・真知寿(吉岡澪皇)は、自宅を訪れた画家に自分が描いた絵をほめられて、赤いベレー帽をもらう。真知寿は、その日から画家になることを夢見て毎日のように絵を描くようになる。そんなある日、父親(中尾彬)の会社が突然倒産して両親が立て続けに自殺を図ってしまい、真知寿の人生は暗転する。
夫婦感動秘話なんぞ、くだらないと思っていた。
北野作品は好きなのに、感動系嫌いなので敬遠。
しかし、趣味の似ている友人に薦められ半信半疑で鑑賞。
ヤラレタ。
これは.......
傑作。
大好きだ、コレ。
そうだった。
北野武は、きれいごとを言わない人だった。
このねじまがった愛。
押し付けじゃない感動が心を打つ。
久しぶりに泣いた私は、やっぱり屈折しているからなんでしょうね。
アートというのは、本当に分からない。
ピカソがすごいと言った人がすごいと思っている。
良いか悪いかの境界線って、きっと見る人の趣味。
人と同じで評価も十人十色。
それと夫婦って似ている。
正解のない追いかけっこ。
隣にいると思ったら実は先に行ってたり。
同じ方向を向いてると思ったら全く違う方向を見てたりする。
そんな皮肉たっぷりで不器用な感じ。
言葉も説明もないけど、他人には理解できない夫婦愛がひしひしと伝わってくる。
踏み入ったら最後。
でも入ってしまう魅力。
ちょっとホラーなところ、なんだかとっても可笑しかった。
俳優たちも素晴らしい。
柳ユウレイは、オリジナルビデオ版「呪怨」の時から素晴らしい俳優だと知っていた。
この人の無表情には奥がある。
それを引き出した北野監督。
あの暗さがたまらない。
北野武の重さと軽さの使い分けが絶妙。
言葉少なげで、自然すぎるのが好き。
時々、かわいく見える不思議なおっさん。
樋口可南子とのやりとりはほとんどコント。
息がピッタリ。
二人で芸術を追い求める姿がこんなに面白いとは。
人が真剣なところって滑稽なのかもしれない。
北野武を受け止められるのはこの人だけだったと思う。
樋口可南子のコント力。
知ってたけど、予想以上。
お父さんの相手だけで済むような女じゃない。
なんで賞を獲れなかったのか不思議なくらい。
もっと好きになりました。
劇中に出てくる絵画はすべて北野自身の作品らしい。
捨てるのがもったいないので、使ってみたとのこと。
絵が分からない私には、名画に見えたけど。
芸術ってそんなものなのかもしれない。
他人の評価って結局はどうでもいい。
自己満足って素晴らしい。
小さいころからそれを継続してきた真知寿がかっこいい。
結果はどうでもいい。
大事なのは過程。
ただ、私もずっとダラダラと好きで居続けたい。
ちぶ~的親失格度5
こんな親、絶対に嫌だ。一番の被害者は娘かもしれない。