「言いたいことは言えない世の中だけど...言って!」
⭐️作品情報
本日の映画🎞️※Filmarks引用
鑑賞媒体:ALVEシアター
君たちはどう生きるか(2023)
The Boy and the Heron
監督 宮崎駿
脚本 宮崎駿
原作 宮崎駿
主題歌/挿入歌 米津玄師
キャスト
山時聡真
西村喜代子
柳生拓哉
画大
飯塚三の介
川崎勇人
鈴木一希
土居正明
重田未来人
井下宜久
岡森建太
⭐️ちぶ〜的評価
🐽🐽🐽🐽🐽5ブヒ(うるるんちぶ〜)
⭐️ちぶ〜的おぼろげなあらすじ…
火事で母親を亡くした少年が、3年後父親の再婚相手(母の妹)と暮らすため田舎へ引っ越してくる。そこで見たアオサギに妙に惹かれ...宮崎駿が引退を撤回して制作したスタジオジブリ作品の長編アニメーション映画。
⭐️ジブリ映画と私
・「となりのトトロ」と「魔女の宅急便」はヘビロテしてた!
小さい頃、必ず通るスタジオジブリ作品。
こんな私も「となりのトトロ」と「魔女の宅急便」はテレビで録画したビデオテープがあって、子供の頃は暇な時にそれをよく観ていた。
ヘビロテしていたけど、大人になってからこの2作品は結構子供じゃ分からない厳しい現実が描かれていたことに気づく。
子供の頃は、可愛いキャラクターやイラストだけを観ていた。
大人になったら、「なぜトトロがメイの前に現れたのか」、「なぜ、キキは飛べなくなったのか」等々疑問が出てくる。
実はいつも宮崎駿の作品には、可愛さの中に残酷さを潜ませ生きる上で大切なことを伝えてくる。
もしくは、疑問を問いかけているのだ。
油断して見ると、全然思ってたのと違う!ということがよくある。
でも、子供の頃に見るからこそ価値ある作品が多い。
・トラウマアニメ映画「火垂るの墓」
小学校の授業だったと思う。
先生に、この映画を授業で見せられた。
今はそんなことしないかもしれないが...
本当に子供に見せるもんじゃないよ!
と、観終わってからものすごい嫌な気分になったのを覚えている。
お母さんの包帯姿...
今、思い出しても震えるわ。
・宮崎駿映画で子供は育っていた
そう考えると今の映画は生ぬるい。
トラウマを小さい頃に植え付けられるような作品があまりない。
確かに残酷だが、「火垂るの墓」を見れば子供でも戦争が恐ろしい地獄であることを知ることができる。
辛い気持ちや嫌な気持ちを抱えることで、人間は強くなり成長できる。
優しさだけで説いて伝わることは半分以下だ。
私の世代より少し後くらいまでは、スタジオジブリ作品で育っていると思う。
それよりもっと後の世代は、何で育つのだろうか?
コンプライアンスを遵守しまくった作品で、子供を育てるのか?
もう、この世は終わりかけている...
と、思うこと最近多いわ。
・宮崎駿の引退作品のはずだった「風立ちぬ」
この映画の記事を書く前に、本来であれば「風立ちぬ」を見るべきでしょう。
でもね、私そもそもここまで言っておいてジブリ作品は見ていないものも多い。
そして、今更観る気にもなってない(笑)
旦那に「信じられない!」と言われますが...
なんか興味持てなかったんだよな〜。
「千と千尋の神隠し」とか「ハウルの動く城」はちゃんと見てますけどね。
でも、今回はこの作品を見て「風立ちぬ」くらいはちゃんと観ようかなと思った次第であります!(笑)
⭐️ちぶ〜的考察!(一部ココからネタバレ)
・宮崎駿の自伝的要素
そもそもどの作品もどこか戦争の香りがしたり、現代的ではなかったりするので基本的には自伝的要素というのは入っているんでしょうけど。
この作品は、モロに!っていう感じでしたね。
母親を亡くしたり、戦争で田舎に引っ越したりっていうのはあの世代の人たちにとって一番鮮明に残っている記憶だろうし現代人には決して理解できない苦しみがあったわけだから。
(金持ち設定だから飯には困ってなかったけどw)
今だって言いたいことも言えない世の中だけど、この時代はもっと本当のことを言えない...
ガチっガチに締め付けられた狭い世界で生きるってどんなに息苦しいか、私達には到底知ることができない世界ですね。
・主人公眞人の恐怖行動
まぁ、びっくらこきましたね!
心配になる程無口な眞人。
父親に従い、新しい母親に対しても礼儀正しい。
それが逆にとっても怖いw w
案の定、大変なことを!
前半、私の中では完全にホラーだったんですけど...
気持ち悪いってこういうことですよ。
ただ、理解できる行動だからこそ気持ち悪さが残るんですよねぇ。
心配させたいわけでもない。
どこか自暴自棄で、この世界から飛び出していきたい!
というモヤモヤを悪意に変えたという感じ。
子供ってこうやって不良になるのでは?
と、ハラハラしました...
・再婚相手が亡き母親の妹!?
この時代はあまり珍しくなかったかもしれないけど、再婚相手が死んだ母親の妹ってヤバない?
「小さい頃あなたに会ったことがあるのよ」とかお腹をさすらせて「私、嬉しいの!」は、怖すぎるw w
子供の気持ち考えたげて!
と、言いたくなったわ。
まぁ、それでもちゃんと罪悪感は持ち合わせていたようだったので許しますけど...
でも、最後まで好きにはなれないキャラだった(笑)
・お父さんは阿呆なの?
声がキムタクだったからなのか...
めっちゃアホっぽかったw w
金でモノを言わせる男ほどダサいものはない。
でも、ただ純粋に金を持っていて家族を大切にしている男だった...
というか純粋に欲求に従っている男?なのかも。
ちゃんと家族を愛している姿には感心しましたが、眞人の父親とは思えないってくらいチャラい感じでしたw w
・動物キャラが象徴したもの
今回はアオサギから始まりペリカン、インコがたくさん出てくる!
めっちゃ可愛い〜。
「千と千尋の神隠し」の時は、ひよこみたいな神様が超好きだった!
なぜ鳥だったのかというと...
やっぱり自由の象徴かなと思う。
鳥についても詳しく考察されている方がいるので、私は簡単に。
アオサギからは二面性を感じることができたし、ペリカンは戦争における加害者。
だけど、その加害者もまた被害者...
インコは普通の人たちっていうか...
社会にいるありふれた人たちっていう感じかなぁ。
大衆でいるので、世論とか一般論とかを指している気もした。
そう考えてみると宮崎駿が今回表現した世界って、やっぱり自分の中の精神世界みたいなものだったかなぁと思います。
⭐️ちぶ〜の「君たちはどう生きるか」の答えは...
上記の考察を踏まえて...
タイトルからずっと問われている「君たちはどう生きるか」なんですが。
簡潔に言ってしまうと、世の中の悪意と善意はバランスで成り立っているということ。
自分の世界でもそのバランスをいかに保っていくか、周囲の人間や社会、今の現状を捉えながらどんなことも認めて受け入れて生きていかなければいけないということ。
というかそれが生きるということなんですよね。
人間はどうしても時間の中で生きがち。
でも、主軸は実は時間じゃない。
ちょっと、映画「メッセージ」(2016年の作品)にも通じるものがあると思ったのですが...
例え、この道を選んだら死ぬと分かっていても歩みたい人生がある。
出会いたい人に出会いたいと思うシンプルな願い...
特に親と子のつながりは何ものにも変え難いかけがいのない愛の象徴。
宮崎駿が引退を撤回してこの作品を制作した理由がここにあるのではないでしょうか。
書きそびれましたが、あの可愛い婆ちゃん達だってずっと繋がってきた縁の塊というか...
全てに理由がある。
無駄な人生は一つもない。
そう言われてしまうと、私には壮大な答えは出ませんでしたが(笑)
シンプルに今をきちんと生きたい、愛を持って誰かを思いやって生きたいと思いました。
さぁ、皆さんはこの映画を観てどう思いましたか?
そして、どう生きるのか...
ぜひ、考えてみてください。