『金と愛の狭間で。』
1990年代頃に流行した農家の少子高齢化問題による国際結婚。
原作は知らなかったが、当時の社会問題をかなりエグくリアルに描いている。
見終わってからも生々しさと痛さが嫌な後味となって残る。
さすが『ヒメアノ~ル』の吉田恵輔監督...
これ、トラウマ映画と言ってもいいと思いますね。
私は、この嫁不足問題はリアルに感じる部分がある。
田舎には本当に嫁が来ない。
実際、フィリピンや韓国、中国から嫁をもらって結婚した人は田舎には多い。
この映画よりは幸せに生きているけれど...
やっぱり、文化の違いから周囲の人たちに差別を受けたり最初は田舎特有の冷遇を受けたりすると聞く。
それでも、日本に外国人の嫁が来るのはそれくらい日本の方がお金があるというイメージがあったんだと思う。
言い方は悪いけど、家族のために結婚をするというスタイルは身売りに近い。
でも、それくらい切実な社会問題だったんだと思う。
もしかしたら今もこういう文化があるのだろうか....
そう考えると、少し怖くなった。
当時の混乱・錯乱気味の心情を怖いくらい表現していたのはやはり母親役の木野花ではないだろうか。
息子を溺愛するあまり、暴走に暴走を重ねる。
あの愛は、本当に息子愛だけなのかと疑いたくなるほど強烈な愛...
フィリピン妻アイリーンに対しての行動は、もはやただの嫉妬心の塊にしか見えなかった。
この社会問題の一番の被害者はアイリーンだ。
彼女は、最後の最後まで家族を愛していた。
お金のために結婚をしたのも、夫を愛したのも、最後の行動も、すべては家族のため。
私は、彼女が痛々しくて切なくて...
最後まで共感しかなかったです。
かなりエログロ...しかもエロは汚めなので決して誰にでも勧められる映画ではありませんが...
だからこそ見なくてはいけない作品とも言えるでしょう。
私は、一回見ただけで充分でしたけど(笑)
というか、もう二度と見なくていいですね...
ちぶ~的アイリーン度5
アイリーンのカタコトがかわいく見えてきます。だからこそ本当に可哀そうでした...
本日紹介した映画は...
愛しのアイリーン (2018)