私が育った場所は、海が近くにあった。
嫌なことがあった時は、一人でぼ~っと海岸に行って海を見た。
もちろん、結論がすぐ出るわけでもない。
でも、大きい海を眺めているとどこか気が楽になる気がして...
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」にも海が出てくるが、この主人公は悩むことすら拒否しているように見えた。
過去の悲劇が悲惨すぎる...
愛する人を失ったことで、またつらい過去と向き合わないといけなくなった男。
誰にでも罪はある。
誰にでも生きていれば、小さくても大きくても一つくらい後悔しても後悔しきれないことがある。
だからこそ胸を打つ。
その悲しみは一生消えない。
だけど、これはバッドエンドではないと私は思う。
赦してほしい人は、もう赦していた。
そして、前を向いていた。
でも、一番許せなかったのは彼自身なのだろう。
生きていくことで償う罪。
それが彼自身ができる唯一の償い。
彼の決断は悲観じゃない。
あの場所に帰ることで、やっと一歩進むことができたはずだ。
きっと絶望しかないと思っていた人生には、まだ希望があると気づいたはず。
また人を愛せるということを知ったはずだ。
言葉ではなく、目だけでそれを表現した主演のケイシー・アフレックの演技はとても暖かく胸が熱くなった。
不器用でもカッコ悪くても、生きている。
私は人間はそれだけでも価値があると思う。
生きることをやめることが一番の罪だと思うから。
希望は、絶望の中にあるんですね。
ちぶ~的船度5
私も一度でいいから船を運転?してみたい(笑)車と違って事故には遭わなそう(笑)