今の仕事は終わるのが6時半。
夕焼けはもう見えない。
冬なんて真っ暗。
普通の人ならもう夕飯を食べている時間。
朝が早めでもいいから日が沈む前に帰りたい。
ずっとこの1年半、そう思い続けていた。
「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の冒頭シーンのオレンジ色を浴びたい...
来月からはそれが叶うのかと思うとそれだけで満足してしまうのである。
*ネタバレしている気がいたします。お気を付けください。
「男はつらいよ」シリーズの中でも傑作と名高い本作。
マドンナは、太地喜和子。
二つの出会いが交錯し、義理と人情が目頭を熱くする。
世の中は、綺麗なことばかりじゃない。
正しいことばかりが通るわけじゃない。
それでも人は人を信じて生きていくしかない。
きれいごとで話をまとめようとしないそのまっすぐさ。
ラストで心を撃ち抜かれたのであった。
何よりも冒頭の夢シーンが楽しみでならなかった。
だって人喰いサメと寅さんですよ。
寅さんシリーズで血を見れるとは!
やっぱりジョーズってすんごい映画だったんでしょうねぇ。
まぁ、5分程度で終わっちゃうんですが。
今までで一番好きな夢ですね。
「同情」という言葉はどこか胡散臭く、偽善者っぽくて嫌いだった。
あまりいい言葉には思えなくて。
だけど、寅さんが使う同情は今までのそんな印象を吹き飛ばしてくれるかのように清々しい。
誰かに同情するということはその人の立場に立って考えること、思いやることだったんだ。
きっと「家なき子」のせいで同情という言葉は嫌われた。
寅さんは堂々と同情する。
それは人を大切に思えばこその感情だから。
寅さん、やっぱりすげぇわ。
今回もマドンナはいるけれど、ちょっと違う気がする。
太地さんが違うんじゃなくて、寅さんの恋心ってやつが違う気がするのだ。
もしかして寅さんの心の中にずっといたのは...
と、思わせるところがあってグッときてしまった。
だからこそ太地さんの超明るい笑顔が映える。
やっぱり恋って難しい。
変な心と書いて恋と書くだけある。
いつになったら変じゃなくなるんだろう。
と、傑作のラストを眺めながら考え込んでしまう私であった。
ちぶ~的タコ度5
喧嘩でも大活躍のタコ社長!泣いちゃうくらいの喧嘩は見ているこちらまで切なくなる。がんばれ!と応援したくなること必至。