ホラー映画さえあれば!ちぶ〜のイラスト付きレビュー

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ある映画館のはなし「ある精肉店のはなし」&纐纈あや監督トークショー

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短大に行ってから目覚めた映画愛。

 

県外で働くようになってからも失うことがなかった映画愛を満たすにはDVDを借りることくらいしかできなかった。

 

映画館が近くになかったのである。

 

行けたとしても月一回ほど。

 

帰ることはないと思っていた地元に帰ってからは映画人生に花が咲いた。

 

だって、秋田には映画館が4つもあったのだ。

 

映画館をハシゴして4本みたりできるなんて県外にいたときからは想像できなかったこと。

 

が、最近古くからある映画館がひとつなくなった。

 

とても寂しい。

 

そして悔しい。

 

自分は映画好きなくせになにもできなかった。

 

小さい映画館だからこそ万人受けはしないかもしれない。

 

が、その変わり人生を変えるほどの映画との出会いが待っていたりする。

 

秋田の人はとても恵まれている。

 

それなのに、そのことに気づいていない気がする。

 

愛すべき映画館たち。

 

その中でも週末名画座シネマパレ は、思い出深い映画館だ。

 

今は週末限定になってしまったけれど、メジャーな作品に興味がない私にとっては宝物。



そんな映画館でまた出会わせてもらった「ある精肉店のはなし」は、生きている人すべての人が見るべき作品なのではないだろうか。

 

*監督のトークショー&サインもいただき大満足。ネタバレ?かと思いますので後半に記載します。
 

「ある精肉店のはなし」



あらすじは....

大阪府貝塚市にある北出精肉店では、牛の飼育から食肉処理、そして販売まで全て家族の手で行っている。彼らは4人で呼吸を合わせながら熟練の手つきで牛を解体し、その後、肉は店舗に運び込まれ、きれいに切り分けられて店頭に並ぶ。7代目として家業を継いだ兄弟だったが、2012年3月には102年も代々使われてきた食肉処理場が閉鎖される。



 

生きるということ。

 

食べるということ。

 

さいころ親によく言われた「食べ物を粗末するな」の本当の意味。

 

人が食べるという行為。

 

生きるための生理的行動。

 

そこに罪はあるのか。

 

お命頂戴いたします。

 

誠実さがヒカるプロの技に見とれる。

 

そこには一切きれいごとがない本来知らなければならない事実があったのである。




毎日食事をする。

 

それは当たり前すぎて意識することはない。

 

自分が口にするものがどうやってここまできたのかなんて考えたりもしない。

 

だけど、人が何かを食らうということは命あるものを命の糧にしているということなのだ。

 

それが象徴的な屠畜シーン。

 

ホラー慣れしている私でもショックを受けた。

 

見る前に食べたランチが心配になった。

 

でも、それはごくごく当たり前のこと。

 

ショックに決まっている。

 

そうやって人間は生きてきた。

 

必要不可欠な事実。

 

命と命の対峙。

 

命をもらい、命をつなげる。

 

それは残酷とかかわいそうだなんて言葉で片付けられることではない。

 

受け入れたくないのは、人間の傲慢だ。

 

私たちは何も分かっていない。

 

もし、この映画を見ていなければ知ることさえもできなかった。

 

「いただきます」は、ただの言葉じゃない。

 

命を頂きますという意味だったんだ。




北出家のみなさんの手によって売り物の肉になるまでの様子は、食欲がなくなるどころかとても温かい。

 

冒頭とは真逆にラストではもっと肉を食べようと食欲がわく。

 

それは、屠畜する動物に対して真摯に向き合い、敬意を払っているのが分かるから。

 

汗水たらし、自分たちの仕事に誇りを持ったプロたち。

 

そこに一切無駄はない。

 

頭のてっぺんから足の爪の先までキレイに解体する。

 

グロいどころか美しい。

 

命を預かり、命を渡す仕事。

 

差別や偏見に耐え、私たち消費者のために今日も働いている人がいる。

 

その人たちのおかげで私たちが生きている。

 

ありがとう。

 

いただきます。

 

ごちそうさま。

 

そして、今日も私たちは肉を食べる。




~~~~~~~纐纈あや監督トークショーネタバレかも~~~~~~
















〜纐纈あや監督トークショー

 

実は初めてだった映画イベントつきの上映会。

 

しかも、客席は大入り。

 

作品をつくった人の話を実際に聞けるっていう感動を味わった。

 

監督は、気さくで飾らないまっすぐな人という印象。

 

上映前もあいさつがあり、上映後はじっくりお話を聞かせてもらえた。

 

しょしがりの秋田人であるのに、時間をオーバーするほど質問攻め。

 

この題材の関心度の高さがうかがえた。

 

なぜ、屠畜の映画をつくろうと思ったのか。

 

撮りたいと思わせたもの....

 

監督の屠畜に対する想いや敬意が感じられて圧倒された。

 

本編に出てくる北出家同様、監督もプロであり職人なのだ。

 

きれいごとや他人事で済ませたくない。

 

そんな強い思いがビシビシ伝わってきた。

 

全く知らなかった部落差別。

 

知らなくてはならない世界がこの映画にはたくさんあった。

 

無知は罪だと思う。

 

考えることすらしようとしなかったことがここにある。

 

「命をもらうことを、殺すではなくしめるという。」

 

「殺すために殺すのではない。」

 

「生きるために殺すことは殺すと言わない。」

 

そんな言葉が重く響き、離れない。

 

安易に屠畜シーンを見て牛の気持ちになってみろとかかわいそうと思うのは違うと思うという話は、この映画の本質だと感じた。

 

本来ならこういうドキュメンタリー映画は苦手な私。

 

ドシーンときた。

 

こんなに考えさせられるとは思わなかった。

 

明日からの食事が変わる。

 

そのくらいのパワー。

 

アンケートを書く時間はありませんでしたが、帰りに監督にサインをいただきました。
 
秋田市在住の映画ファンの方が企画したこの上映会。

 

大感謝です。

 

本当にありがとうございました。



以上、ちぶ~がお送りしました





ちぶ~的あったか度5

生と死を取り扱っている作品なのにとても温かい。家族の愛が、命の愛が見終わった後も頭から離れない。