ホラー映画が好きなのにリラックマが好きだというと驚かれる。
普段の攻撃的な性格のせいか甘いお酒しか飲めないと言うと引かれる。
態度が悪いせいか煙草を吸わないというと若干の驚いた顔をされる。
人はどこかでバランスを保とうとする生き物なのかもしれない。
私の場合、極端すぎるのでしょうが。
「ジェラシー」も極端かもしれませんが、"究極の愛"というやつがとっても怖ろしい。
解説...
ウィーン派の画家クリムトの装飾的な絵や、シーレのぎすぎすした剥き出しの官能の絵が大胆にフィーチャーされ、このトリッキーな恋愛ミステリーの鋳型となっている。製作は「シェルタリング・スカイ」などのJ・トーマス。頽廃の色濃い町ウィーンの謎めいた魔性の女ミレーナの魅力の虜になった精神科医のアレックスは、激しい性の陶酔に溺れ、女ともども、現実に対する感覚を失ってゆく……。
超オカルト映画「赤い影」 のニコラス・ローグ監督作品。
愛と性。
嫉妬と束縛。
行き過ぎた愛の向こう側にあるのは、本物の愛なのか。
男と女のミステリー。
人間の本能に刻まれた愛の罪がグロデスクに彩られる衝撃。
これを見たらあなたも愛が怖くな~る。
冒頭から映し出される絵。
官能的で大胆。
男と女は同じ絵を見ているのに、違うことを思う。
このシーンが物語っていることがラストにつながる。
男と女に分けられた人間という生き物に与えられた愛。
二つが一つになることを課せられた罰。
それは悲劇的で残酷。
この映画で描かれた愛は原型。
余計なものをそぎ落とした愛。
その究極の末路なのです。
苦しむ形相から切り取られていく過去。
フラッシュバックしていく描写がすでに不気味。
そこから導かれていく真相....
まず。
私は仰天した。
この物語の主人公を演じた男アート・ガーファンクルのキモさに!
いい体をしているわけでもない。
イケメンでもなんでもない。
得体のしれない髪型にセンスのなさを罵りたくなる。
ネチネチと女を束縛する男。
テレサ・ラッセルみたいなビッチに普通なら相手にもされないはずなのにという違和感。
でも、人は自分にないものを求める性分。
このキモさがあるからこそ作品に説得力が出たのかもしれない。
もしかしたら、これを見た男性はなんて女だ!
なんて尻軽なんだ!と思うかもしれない。
が、私は違った。
まぁ、思うことには思うんですが。
論点はそこではない気がする。
これは単に悪女を描いた映画ではない。
どちらかというと、私はこの女が脆く寂しい女の孤独の塊に見える。
見た目や体がいいという表面的な魅力で男に満足されてしまい、その奥にある愛を受け入れてもらえない苦しさ。
男と女の溝に堕ち、埋まることのない理想を追い求めている。
男は男で一生懸命愛しているつもり。
自分のものにしたくてしょうがない。
四六時中自分に仕えてほしい衝動。
ジェラシーとは、男の弱さからくるものなのではないだろうか。
自分が与えている以上に返ってこなければ愛じゃない。
相手も自分と同じように愛しているという絶対的な自信を持つ。
エゴである思い違いにきっと永遠に気付けない。
衝撃の結末。
男と女。
それぞれの終わり。
愛のジェラシー。
ただの愛だったらこうはならなかった。
ジェラシーが誘う悪魔の囁き。
あなたも愛のジェラシー添えをどうぞ。
そのお味はいかが?
きっともう元には戻れない狂気の愛を知ることになるでしょう。
ヒヒヒっ。
ちぶ~的エログロ度5
これはなかなかの気持ち悪さ。踏み入れてしまった領域に後悔するくらいの衝撃が待っている。で、エロはエロでもそういうエロではないのでご注意を。