ホラー映画さえあれば!

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奇人でもいいかい「奇人たちの晩餐会」

自分は普通とは違うかもしれない。
 
と、思うときがある。
 
そもそも普通が分かっていないんだけど。
 
特に映画に関してのマニア精神はきっと理解できない人の方が多い気がする。
 
でも「あなたって普通よね」よりは、「あなたってちょっと変わってるよね」と言われる方が嬉しい。
 
それって人とは違う何かを持っているということだから。
 
と、前向きにとらえるあたりですでに奇人かも...
 
 
奇人たちの晩餐会」の奇人にはもう参りましたとしか言えないくらいの高レベル奇人。

奇人たちの晩餐会

 


解説....
出版業を営むブロシャンには密かな楽しみがあった。それはバカな人間を招待しては仲間で笑い物にするという晩餐会だ。今回はマッチ棒の工作が趣味という税務局勤めのピニョンという小男を見つけたのだが、当日ギックリ腰になり動けなくなったブロシャンはピニョンと二人きりになってしまうのだった……。この手の人情喜劇をやらせたらフランス随一のF・ヴェヴェール監督作で、ブロシャンとピニョンのやり取りと、テンポよく展開されるストーリーが小気味いい。

 

悪趣味な晩餐会。

 

よりすぐりの奇人を集める。

 

これぞ高みの見物。

 

見下ろしてたと思ったらやっぱり痛い目に遭う。

 

ガハハっと笑って、クスっとなって。

 

罪悪感を感じちゃうようなスレスレのブラックジョークが心地いい。

 

久しぶりのコメディ映画で傑作をみ~つけた。

 

 

人が人を見下す快感。

 

自分より下の人間を見て安心したい愚か者精神。

 

それは本当は誰にでもある奥底の弱さ。

 

当たり前だが、お愚か者はやはりバカをみる。

 

バカよりもバカになる。

 

ざまぁみろと思いながらも同情させる笑い。

 

くるくる回る笑いが心地よくって爽快。

 

 

とにかく奇人が強烈すぎる。

 

登場シーンから釘付け。

 

そして、そのマニアックな感じに共感。

 

太っちょでいい感じのおハゲ。

 

しかもチリチリした髪質がいい感じのアホっぽさになっていてサイコーの仕上がり。

 

Mr.ビーンよりもリアリティのある変なおっさん。

 

フランス語のアクセントがさらにしつこさを増すところも絶品。

 

一度関わったら最後。

 

危険すぎるバカっぷりにこちらがハラハラする。

 

悪気のない純粋なバカ。

 

それはとっても厄介なのに憎めない。

 

人の縁は、本当はギャンブルのようだ。

 

いつどこでどんな時に出会うかは誰にも分からない。

 

その出会いが人生を大きく変えたりする。

 

人は十人十色であり、自分のことですら完全に理解することはできない。

 

だから人を評価する基準すら持ち合わせていないのだ。

 

奇人=バカ と、決めつけること自体がそもそもナンセンス。

 

人の価値はそこにはない。

 

人はただの人であり、結局同じ空の下で生きているにすぎない。

 

あっちゃ~と言いたくなるような展開なのに大笑いしてしまう。

 

やめて~と止めたくなるのに吹きだしてしまう。

 

イライラがいつの間にかワクワクに変わる。

 

不測の事態に笑いがある。

 

ピリっとしたと思ったらうるっとさせたりもする。

 

ただのコメディにしない狡猾さ。

 

やられた!と思いつつ、最後までバカを愛してしまう。

 

それは奇人でも心は温かくて美しいから。

 

そして、なんだか他人事だとは思えなかったのです。

 

 

 

ちぶ~的奇人度5

冒頭から周りを気にしてしまうほどの強烈キャラ。俳優としてその身なりはどうなんだと思いつつ、こういう映画をふつうに作れるフランスってやっぱりシャレていると思う。