悪趣味な晩餐会。
よりすぐりの奇人を集める。
これぞ高みの見物。
見下ろしてたと思ったらやっぱり痛い目に遭う。
ガハハっと笑って、クスっとなって。
罪悪感を感じちゃうようなスレスレのブラックジョークが心地いい。
久しぶりのコメディ映画で傑作をみ~つけた。
人が人を見下す快感。
自分より下の人間を見て安心したい愚か者精神。
それは本当は誰にでもある奥底の弱さ。
当たり前だが、お愚か者はやはりバカをみる。
バカよりもバカになる。
ざまぁみろと思いながらも同情させる笑い。
くるくる回る笑いが心地よくって爽快。
とにかく奇人が強烈すぎる。
登場シーンから釘付け。
そして、そのマニアックな感じに共感。
太っちょでいい感じのおハゲ。
しかもチリチリした髪質がいい感じのアホっぽさになっていてサイコーの仕上がり。
Mr.ビーンよりもリアリティのある変なおっさん。
フランス語のアクセントがさらにしつこさを増すところも絶品。
一度関わったら最後。
危険すぎるバカっぷりにこちらがハラハラする。
悪気のない純粋なバカ。
それはとっても厄介なのに憎めない。
人の縁は、本当はギャンブルのようだ。
いつどこでどんな時に出会うかは誰にも分からない。
その出会いが人生を大きく変えたりする。
人は十人十色であり、自分のことですら完全に理解することはできない。
だから人を評価する基準すら持ち合わせていないのだ。
奇人=バカ と、決めつけること自体がそもそもナンセンス。
人の価値はそこにはない。
人はただの人であり、結局同じ空の下で生きているにすぎない。
あっちゃ~と言いたくなるような展開なのに大笑いしてしまう。
やめて~と止めたくなるのに吹きだしてしまう。
イライラがいつの間にかワクワクに変わる。
不測の事態に笑いがある。
ピリっとしたと思ったらうるっとさせたりもする。
ただのコメディにしない狡猾さ。
やられた!と思いつつ、最後までバカを愛してしまう。
それは奇人でも心は温かくて美しいから。
そして、なんだか他人事だとは思えなかったのです。
ちぶ~的奇人度5
冒頭から周りを気にしてしまうほどの強烈キャラ。俳優としてその身なりはどうなんだと思いつつ、こういう映画をふつうに作れるフランスってやっぱりシャレていると思う。