夜中、何やら音がする。
そういうときに限って母がいない。
気になって眠れない。
その音は低音で響く。
ゴー、ゴーと繰り返される。
と、思ったらガタっと大きい音。
耳を澄ます。
...................
2階の人のいびき?
そして寝相が悪い?
私、ビビって家の鍵かかってるか確認しちゃったよ。
コノヤロー。
って私もいびきかいてたらすみません。
「追悼のざわめき」は、ざわめきってもんじゃないくらいの衝撃的内容です。
あらすじは.....
大阪の廃墟ビルで暮らす誠(佐野和宏)は、“菜穂子”と名付けたマネキンに惨殺した女性の生殖器を埋め込み、2人の愛の結晶の誕生を待ち望んでいた。そんな誠に思いを寄せる小人症の夏子(仲井まみ子)は、菜穂子の存在を聞かされ絶望する。一方、廃墟ビルの屋上へと導かれ、菜穂子を目にした兄妹(隈井士門、村田友紀子)は……。
80年代に、しかも日本でこれをつくる勇気。
タブーをやり尽くす。
グロテスクな愛。
下品で気持ち悪い地獄。
センセーショナルに描かれた世界。
目を覆いたくなる強烈さ。
これを日本でやってのけてしまう人は、なかなかいない。
きっと見てしまう人もそんなにいない。
不快だからこそ芸術なのか。
きっとなくてはならないけれど、見たくはない世界。
タブーに真っ向勝負。
ここまでの勇気、今の監督にあるだろうか。
ただただ衝撃的で、理解は正直できない。
口があんぐり。
きっとそれでいいのだと思う。
描きたかったタブーの世界は、脆く悲しみに溢れている。
行き場のない孤独が寂しい人間をつくる。
異常な愛は、異常な心を癒すため。
傷は深まり、どこへもたどり着けない。
狂気を食い散らかす。
普通の人間はどこにもいない。
追い求め続ける。
決して手に入らないものを。
生きることは罰なのか。
終わらない世界は地獄。
世の中には死よりも恐ろしいものがある。
ちぶ~的グロゲロ度5
邦画のタブー映画はより一層後味が悪い。耐性がある人にしか向かない映画。それも芸術という矛盾。