今まで、楽な仕事をしたことがない。
そもそも、定時で帰れるような仕事は自分には合わない。
なんだかんだで仕事に熱中したいのかもしれない。
今の仕事は、定時で帰れる。
だけど、内容が複雑すぎて頭をフル稼働しないと追いつかない。
それでも、精神的にキツイということはないし環境に恵まれているので楽な方だと思っていた。
しかし。
自分が気づかないうちに疲労に蝕まれているらしい。
映画を一日で2本しか見れていない。
これは大事件である。
休日は、最低でも4本以上は見れていたのに.....
ルイス・ブニュエルの作品は、10分で撃沈。
マーティン・スコッセッシの作品ですら30分で忘却の彼方へ。
私の頭の中、進入禁止。
「監督・ばんざい!」並みに入り乱れている。
あらすじは....
十八番のバイオレンス映画を二度と撮らないと封印宣言してしまった映画監督(ビートたけし)が、ヒットを目指してさまざまなジャンルの作品に挑むことを決意する。昭和の名匠・小津安二郎風の作品や不得手な恋愛映画、SF映画などに挑戦しては壁にぶつかって試行錯誤を繰り返す。そんな中、地球にはある危機が迫っていた……。
こんな映画見たことがない。
北野武が唯一無二の存在であるから作れるのかもしれない。
誰もやろうとしなかった。
自分を削ぎ落とす行為。
映画と真っ向勝負。
逃げも隠れもしない。
リセットから生み出そうとする天才の頭の中。
北野武の挑戦状。
まさに、監督、万歳。
シュール。
奇想天外。
笑ける。
みんながやろうとすることの逆へ行く。
この男は、他の人と同じことには興味がない。
違うからこそ価値があると思っている。
昭和映画を撮ろうとしても、アクション映画を撮ろうとしても。
”普通”にできない。
そんな感覚は、最初から持ち合わせていないから。
今の映画界でありふれているようなことを皮肉る。
「俺はこんなくだらないことはしないぞ」と言わんばかりに。
真っ向勝負を大胆にしかける。
それなのに、逃げるときは徹底的に逃げる。
タケちゃん人形が代わりになってくれるのは、痛みを知らないことを意味するような。
そう。
他人の評価はなんだかんだでどうでもいいのだ。
懲りないヤツ。
よくもわるくも自分勝手に創る。
だからこそ、絶対的存在になりうる作品を生み出す。
何十年経っても、「あの映画はよかった」と思わせるパワーがこの男にはある。
井出らっきょ。
江守徹。
余計なのに、笑っちゃう。
後半の岸本加世子と鈴木杏のSFコメディもいらないのに、楽しんじゃう。
やっぱり、私の映画人生に北野武は必須。
と、いうことになった。
ちぶ~的熱望度5