なかなかの非常識野郎を見た。
至近距離で見ると結構驚く。
一般常識は通じない。
一人アウェー。
本人は気づかない。
まっすぐしか見えていない。
微動だにしない。
気遣いという意味を知らない。
大事なのは自分。
人の話など聞いちゃいないのである。
フォーマルな場でよれよれのTシャツとジャージ。
本人含め、きったない。
以前は白かったであろう黄ばみが気になって仕方がない。
一体、あなたは誰なんですか?
こういうやつは、エイリアンと呼ぼう。
久しぶりの衝撃。
風邪とは関係ない頭痛がした。
「恐怖のメロディ」のスーカー女は、エイリアンの恋愛バージョンではないか。
あぁ、悪寒がする。
解説......
カリフォルニア、モントレーの地方局でDJをしている男の前に、いつも“ミスティ”をリクエストしてくる女性が現れる。だが、出来心から一夜を共にして以来、女の態度が常軌を逸してくる……。クリント・イーストウッドが今でいうストーカーに題材を取った監督デビュー作。
クリント・イーストウッド初監督作品。
当時は、まだストーカーという言葉自体なかったらしい。
そう考えると非常に先進的な映画である。
ストーカーモノは、今では使い古されてしまった題材。
今見ると時代を感じる。
そしていつの時代も女は男にとって恐怖の存在になりうるのだ。
クリントは、おじいちゃんのイメージしかなかった。
劇中のクリントは、色男満点。
若い、若造。
ブリーフだって似合う。
そして、とにかく肉食なのだ。
フェロモンがいつも大放出なので、変な女も寄ってくる。
クリントは、女が好きなので寄ってきたらとりあえず拒絶はしない。
だって男だモン。
終始くっさい演技に胸焼けしつつも、崩さない渋さにうっとりきてしまうダメな私。
罪な男とはこういう男のことを言う。
ストーカー女イブリン。
演じたのは、ジェシカ・ウォルター。
知的な美女。
デカイ武器が似合う。
普通の家庭にそんな長いはさみとナイフがあるのだろうか。
そのチョイス、さすがです。
癇に障ると人格が変わります。
こんな女嫌だ。
私だったら即フェイドアウト。
面倒くさそうな一面を見ても男がすぐ逃げないのは、美貌と抜群のスタイルのせい?
女はみんな女優だけれども。
武器をよく分かってらっしゃるしたたかさ。
巧みな技。
私も少しは見習いたいんである。
ストーリー展開は予想通りで、ストーカー映画も何度も見ている私にとっては普通であった。
やはり荒い部分はあるけれど、初監督でありながらもクリントらしいカメラワークはさすが。
目のアップが印象的。
怯える目と狂気の目。
あのアングル、恐怖の視線。
野外ラブシーンとジャズコンサートシーンは、ばっさりといりませんが。
時代を感じながら、クリントを知るには見やすい映画。
音楽が恐怖へといざなう。
音楽を聞くと記憶がよみがえるように。
執着が生み出す殺意。
それは赤い血のように、真っ赤な独占欲。
自分でも気づかないうちに、愛が真っ赤に染まっていく.....
それが一番の恐怖かもしれない。
ちぶ~的キザ度5
絵にかいたような口説き方。当時はこれが主流?胃のムカムカには太田胃散。