言いたいことがあるとする。
ここは日本。
ハッキリ自分の意見を言うことが、いい事とは捉えられない。
アメリカなんかではそれが普通だというのに。
なぜだ。
自分の意見がないことが美徳なのか。
疑問である。
まだまだ閉鎖的な日本。
言いたいことは言ったらどうだ。
というか、私は言いたいんだ。
時代に、国に逆らってるのだろうか。
隠れ反逆児は、日本に結構潜伏しているだろう。
「おとなのけんか」みたいに、覚醒したら.....日本が、ちょっと変わるのではないかと思うのである。
あらすじは...
ニューヨーク・ブルックリン、子ども同士のケンカを解決するため2組の夫婦、ロングストリート夫妻(ジョン・C・ライリー、ジョディ・フォスター)とカウアン夫妻(クリストフ・ヴァルツ、ケイト・ウィンスレット)が集まる。双方は冷静かつ理性的に話し合いを進めるが、いつしか会話は激化しホンネ合戦に。それぞれが抱える不満や問題をぶちまけ合い、収拾のつかない事態に陥っていく。
私が嫌いな「戦場のピアニスト」の監督でもある巨匠ロマン・ポランスキー。
ロマンなどと、名前についている割にいつもロマンのかけらもない。
「ローズマリーの赤ちゃん」は、大好きであるというのに。
「ゴーストライター」も私には合わなかった。
それでも、シャレたセリフに特徴のある音楽、映像の流れ方はどこかレトロで引き込まれた。
今作の「おとなのけんか」は、珍しくコメディ作品。
舞台の映画化とあって、ほとんど家の中。
役者4人の密室劇。
映像と音楽を特徴にできない題材の中でどうポランらしさを出すか。
巨匠......
肩書の力って大きすぎますね。
こじんまり。
役者4人の力量に頼り切っている。
そもそも舞台をただそのまんま持ってきた感。
ポランさんの仕事は何処に。
元がいいから悪くはならないパターン。
実にズルイ。
年をとってサボりたくなったのか。
普通の監督だったら、称賛する。
でも.....
ポランさん、あんた巨匠じゃないのか?
もっと深みも厚みも出せた気がする。
ポランさんならできたはずとどうしても思ってしまう。
普通によかったのに....
期待しすぎはよくない。
全体的にはもちろん、セリフやテンポもいい。
何よりもこの4人の役者のコンビネーションが絶妙。
ゲロ噴射と携帯ポシャ騒動は大笑い。
日本人にはわかりにくいアメリカンジョークに、さらにフランスっぽさが重なって難解だけど。
設定もいい。
原題の「大虐殺」の意味を踏まえれば、どんどん論点が変化していく様が面白い。
最初は、子供の親同士。
次は、妻と夫。
次は、男と女。
等々と、論争が変わっていくのは子供のけんかより質が悪い。
でも、こんな感じで世の中では戦争が起きたり不幸な事件が起きたりしてるのではないか。
言いたいことを言いすぎるのも問題。
言わなすぎても解決しない。
そのちょうどよさって難しい。
そもそもわかり合おうっていうのが無謀なんですけど。
終わりなき争いで、世の中溢れてる。
小さいのも大きいのも、結局同じですね。
批評家たちの中では、この作品は評価が高い。
「戦場のピアニスト」や「ゴーストライター」よりはいいと思う。
やっぱり「ローズマリーの赤ちゃん」には程遠い。
好みの問題だけど...
年をとると、満たされちゃうんでしょうか。
(っていうかエロいことやり放題だしな。)
若かりし頃の静かなる狂気は、もうなくしたっていうのか。
なんか。
いと、寂し。
ちぶ~的チャランポランスキー度2