『女だからこそ、二度生まれる。』
若尾文子主演の映画ってどれも面白い。
特に、"女"らしい葛藤や苦悩がリアルに描かれている作品が多い。
そして、意外と辛口だ。
これもそうだった。
見終わってから考えるタイトルの意味。
頷くことしかできない、説得力が凄い!
女って本当に面倒くさい生き物なんですよね…
芸者の小えん(若尾文子)は、カジュアルに売春をしている。
自分には大した才能もないし、稼げればそれでOKみたいな。
パトロンができても、軽く浮気して大変なことになったりするくらいふわっふわしてる(笑)
若い時はそれでもいい。
でも、美しさって若さとセット。
30代に突入していくと輝きって落ち着いていって、キラキラに惹きつけられていた男も寄って来なくなる。
それが現実。
若い時のようなスタンスで男に頼って生きていける女は、そんなにいない。
結局、自分が軽い気持ちで色んな人と関係を結んできたように相手の男もその程度の気持ちしかない。
そこに気づけるかどうかで、賢くなれるか痛い女になるかが決まると言っても過言ではない。
要は、己を知らなければ本当の自分にはなれないってこと。
二度目に生まれた時、やっと本来の自分の生き方と向き合っていけるんじゃないだろうか。
女の弱さと強さを赤裸々に描いた作品。
バカで浅はかで愚か。
でも、自分らしさを見つけられたら本当の幸せに行き着けられるのかもしれない。
なんだかラストは淡白で「え?もう終わり?」って感じなんだけど…
それすら、潔くてカッコよく感じた。
さすが、若尾文子。
あの凛とした美しさや嫌味のなさは彼女だからこそ。
今年最後の通常記事にも相応しい映画でした。
この映画のように生まれ変わった気持ちで来年を迎えたいものです!
明日の12/30(水)と12/31(木)は、毎年恒例の映画ランキングをお送りします。
年末年始の暇つぶしに読んでいただけると大変嬉しいです!
お楽しみに〜。
ちぶ〜的女度5
女々しい!でもそんな面倒くさいところも女の面白さ。男性には分からないかもしれないあるあるは、女性から見ると面白いと思います!
本日紹介した映画は…
女は二度生まれる (1961)
- 監督 川島雄三
- あらすじは…
- 富田常雄の小説『小えん日記』を、川島雄三が井手俊郎とともに脚色し監督。大映での初監督作品であり、川島の最高傑作の一つに挙げられる。川島が大映首脳陣を前に「若尾文子を女にしてみせる」と宣言したといわれる。 芸者の小えんは男相手の商売を続ける毎日を送っていた。そんな彼女は、銭湯への行き帰りに出会う大学生の牧にときめいていた。矢島という遊び人と箱根へ行った帰り、小えんは初めて牧と話をするが、彼は大学を出て他の場所へ行ってしまうと言う。売春がばれて置屋が営業停止となってしまったため、小えんは銀座のバーで勤めることに。芸者時代に出会った筒井と再会し、小えんは彼の愛人になった。しかし筒井は病気で倒れ、そのまま亡くなってしまう。
- (yahoo!映画より引用)