DVDのパッケージ画がズルい。
物凄いサイコスリラーかと思って鑑賞してしまったではないか。
見て見たら、びっくり。
痛いくらい優しい映画。
嘘をつかないと相手と上手く関係を築けない女性。
失踪した娘を長年待ち続けた夫婦。
二つの孤独が繋がる...
身近にいる嘘つき女を見ているよう。
そうか、彼女は他人が理解できないほどに寂しい人間だったんだな。
ハッキリ言ってこんな女には実際関わりたくない。
遠くから見ているだけならいいが、自分の世界に入り込まれたら本当にただの迷惑だ。
だけど、少なからずこういう人間は世の中にいるわけで。
悪気のない嘘で誰かを傷つけたり救ったりもする。
そりゃぁ、嘘つかないで真っ直ぐ生きることがみんなできればいいんだけど。
みんなができることができない人だっている。
それが愛情表現だったり、自分を愛することだったり。
そう考えると、本当に人間ってそもそも寂しい生き物なんだなって思った。
どれだけ言葉を交わしても、どれだけ長い時間一緒に過ごしても、完全に誰かを理解することなんてできない。
結局、自分は自分。
理解できる人間がこの世の中にいるとしたら、それはやっぱり自分だけなんだと思う。
それでも、この映画のようにどこかで他人と繋がることができたら...
それだけで今日も生きていてよかったと思えるのかもしんない。
大嫌いな自分のことも少し好きになれるかもしんない。
と、妙にしんみりとしてしまった。
そして、この「絶対に関わりたくない女」に勇気をもらってしまった。
ん~。
なんとも言えない不思議な感動を残す余韻が心地いい映画でした。
ちぶ~的クズ~度5
この嘘は質が悪すぎてずっとハラハラしましたよ(笑)
本日紹介した映画は...
ナンシー (2018)
Nancy