『淡白になっているつながり。』
ミヒャエル・ハネケ監督作品の割に、絶望感は低め。
だけど、しっかりと現代社会の希薄している人間関係に警鐘を鳴らしている。
繋がっている瞬間はどっぷりなくせに、自分に害が及ぶとあっさりとその繋がりを切る。
現代人にありがちな行為だが、実はとっても恐ろしい。
人は一人では生きれない。
だからこそ、一人一人の繋がりを大切にしなければ…
途切れ途切れに変わっていく人間関係の描き方にもハネケのセンスを感じました。
ジュリエット・ビノシュがとにかく素晴らしかった!
喜怒哀楽だけではない女特有の面倒くさい感情表現が完璧。
自分勝手だけど、あれが実はリアルだったりする。
彼女の演技からも読み取れるハネケからのメッセージ。
親子も恋人も赤の他人との関係も、不要だと思ったら簡単に切れてしまう。
希薄にしてしまっているのは、私たち自身が自分をも大切にすることができていないからかもしれない。
便利な世の中は、全てを当たり前にしてしまう。
普通に生きていられることに甘んじて、日々を、人の大切さを、忘れてしまっている。
こんなに恐ろしいことはない。
正直、ハネケの表現方法はいつも客観的で説明や答えがないので難しいかもしれないけど…
私はそこにこそ意味がある気がしてなりませんでした。
ちぶ〜的コー度4
この映画のコードって人間関係の繋がりとか、大きく表現すると他人への愛みたいなものだったのかな〜。
本日紹介した映画は…
コード:アンノウン (2000)
CODE UNKNOWN/CODE INCONNU: RECIT INCOMPLET DE DIVERS VOYAGES