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雨雨物語「雨月物語」~角川大映映画展記念記事vol,7~

心が大雨。

 

意外と自分では気づいていなかったりする。

 

気づいた途端に急激に疲れた。

 

季節の変わり目は心もコロコロ変わる。

 

自分にはそんな時、心配してくれる人がいる。

 

それだけでいいじゃないか。

 

報われなくたって、認められなくったって。

 

結果がすべてじゃない。

 

そう、思えたらなんだか楽になりました。



雨月物語」のような雨も、そんな心の弱さに降る雨だったのかもしれません。

雨月物語

 

解説....

戦国の世、貧しい陶工・源十郎が若狭姫という女性と知り合い、生活をともにするようになる。だが美しい若狭姫の正体は死霊であった。それを知った源十郎は若狭姫を捨てて故郷に逃げるが、彼女の怨念は執拗に追いすがる……。「雨月物語」をベースに、川口松太郎らが脚色。




この物語には人生の教訓が詰まっている。

 

俳優たちの圧倒的な存在感。

 

一言一言のセリフの重み。

 

京マチ子が男の前に現れる。

 

それだけで物語になる。

 

今の映画では味わえない奥ゆかしさに魅了される。

 

 

 

上田秋成の「雨月物語」の「浅茅が宿」と「蛇性の婬」の2編を脚色し映画化。

 

もちろん、私は原作も作品も知らなかった。

 

でも、得意の怪奇系。

 

1950年代の怪談は、死霊までもが慎ましい。

 

女性という生き方。

 

男というあり方。

 

そうか。

 

この時代はあるものが少ないけれど、今はないものがある。

 

京マチ子ファムファタールっぷりだってそれを象徴している。

 

肌は一つも見せない。

 

それなのに、所作が艶めかしい。

 

想像をかき立てる色気。

 

あの微笑みは怖ろしい魔力を持っている。

 

本当にいい女は見せるのではなく、魅せるのだ。

 

 

 

今も昔もこの世は誘惑だらけ。

 

それは変わらない。

 

誘惑は、人間の弱みを掴む。

 

何かを求めれば何かを失う。

 

そして、人間は失わなければ分からない生き物。

 

その時、初めて意味を知る。

 

人生は、まるで雨のように気まぐれ。

 

降り続けることも降らないこともない。

 

人生は、無常。

 

欲がなければ喜びを知ることもできず、欲に駆られれば破滅を導く。

 

人間は底なしに愚か。

 

どちらかを選び成功しても失敗しても後悔し続ける、それくらい欲張りな生き物。

 

それでも無償の愛は、すべてを受け入れる。

 

そんなことができるのは、慎ましい時代だったからではないでしょうか。

 

 


ちぶ~的じめじめ度5

死霊が女ってだけでもうじめじめ。美人が重いともっと怖い。その積極的さは、もはや脅迫です。