すげぇ。
独裁っぷりが絵に描いたようにひでぇ。
人が目の前ですごい勢いでいびられている。
とても不愉快。
こんなやつらが仕切っていいのか。
普通にこれで日々過ぎていくのだから不思議。
そして、見て見ぬふりをしているやつらも悪い。
ここまで悪いと苦笑するしかない。
あらすじは...
1982年、釜山の税関で検査課主任として勤務するイクヒョン(チェ・ミンシク)は、夜の巡回中に大量の覚せい剤を見つける。密輸や賄賂が当たり前の税関内で、これまで彼も当然のように不正に手を染めながら家族を養ってきた。イクヒョンは覚せい剤の日本への密輸を思い付き、釜山の裏社会を取り仕切るヒョンベ(ハ・ジョンウ)に取り引きを持ち掛ける。
これは、韓国版アウトレイジなんだろうか。
若干意識しているような。
私がそう思うだけか。
チェ・ミンシクの独擅場。
この男の映画である。
クズはどこまでもクズ。
欲はどこまでも欲張る。
シリアスと暴力の濃すぎる化学反応。
表の世界から裏の世界へ。
表と裏は紙一重。
そもそも悪に手を染めるやつらは、表の世界にいたとしても裏の世界へ足をつっこんでいる。
ただ、時が来たからハッキリしただけ。
むしろ、両方を操るような輩が一番ひどい。
チェ・ミンシク演じるイクヒョンの果てしない欲望。
せこく、かっこ悪いのにその人脈と口で這い上がる。
面白いのはそこに韓国の文化がこびりついていること。
親族関係を異様なまでも重んじる。
先輩後輩のような上下関係の激しさが見て取れる。
学歴よりも人脈というコネ。
恩は着せれば着せるほど自分にとって有利になる。
人はどこまでもずるく、己の利益しか考えていない。
そんなクズさ加減がひどすぎて笑うしかないのだ。
そもそもこのジャンルの映画が苦手なのに、コリアン風が加わりさらにこってり。
それなのに、苦笑いしながらも最後まで見れたのはチェ・ミンシクのパワーのおかげだろう。
果たして悪いやつらはどいつらなのか。
私には誰というよりも韓国という国を風刺しているように見えた。
そして、あざ笑っている。
こんな風に成り立っている自分の国を。
そういう意味では韓国では珍しい映画なのかもしれない。
ちぶ~的ワル男度3
悪いというより汚い。ワイルドというより横暴。男くささでまみれてるけれど、かっこよさはゼロである。