隣の席に死霊がおります。
いや、ただ単に悪魔並みに面倒な人ってだけなんすけど。
物凄い気を使うので、私の生気を奪われている気がします。
本人は自覚ないんだろうけど、周囲の人間は嫌っています。
というか煙たがっています。
早く帰ってくれないかなと願うばかり。
解放されるのは来週でしょうか...
あの死霊感は、誰にもマネできまへん。
「死霊館」も誰にもマネできないウソ偽りない真実。
......らしい。
あらすじは...
1971年アメリカ・ロードアイランド州、両親と5人の娘たちが古びた一軒家に引っ越してくる。しかし、毎朝母親の体にあざができ、一定の時間に止まる時計など不気味な怪現象が次々と発生し、娘たちに危害が及んだことから、一家は心霊学者のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)に解決してほしいと依頼する。夫妻が現地を調査すると恐るべき歴史が明らかになり、夫妻は館に巣食う邪悪な存在に立ち向かうが……。
実在の心霊学者ウォーレン夫妻が経験したお話。
ちなみに「悪魔の棲む家」の元ネタになったアミティビル事件もこの夫婦が関わっている。
そんな夫婦が封印してた最恐事件を映画化。
実話と謳う堂々たる触れこみに惹かれて手に取った。
が、堂々たるエンタメっぷり。
この際、実話かどうかはどうでもいい。
これは、古典ホラーをきちんと踏襲した上質ホラーだ。
「サスペリアPART2」系のお人形さんご登場でテンションアゲアゲ。
冒頭からもう怖い。
人形よりも私がカタカタ鳴りそう。
前フリの話がごきげんようのサイコロで当たったコワバナみたいで妙に不気味。
最初から快速。
でも、よく考えたら王道。
夫妻が遭遇する怪奇現象もごくごく普通に昔からある展開。
今なぜ、これなのか。
目新しさゼロでこの出来。
ホラーなのに112分が平気。
思うに、この死霊はとても礼儀正しい。
昔ながらの風習を決して逸脱しない。
日本のホラーのように、じんわりじんわり忍び寄る。
余計な小細工をしないでちゃんとやってくる。
部下ならかわいがりたいタイプ。
そして、それに遭遇する憑りつかれた一家と解決しようと挑むウォーレン夫婦。
双方の家族愛がとてもいい。
悪霊映画には珍しく、人間側の心理描写が繊細に描かれていて感情移入しやすい。
実話とは思えないような死霊に憑りつかれているのを目の当たりにして、結構怖がったのに、最後はうるっときてしまう。
死霊が勝てない愛。
なんだかとてつもなく素晴らしい感動作を見ている気にさせるのだ。
オルゴールがなる。
渦が瞳を吸い込んだ先に何かが映る。
そんな日本ホラーあるあるもあり~の。
目隠し鬼をする。(日本の鬼ごっこをオシャレにした感じ)
拍手を辿って鬼役を探す。
で、本当の鬼も寄ってきちゃう。
そんなホラーでは神のような演出もあり。
今までのホラー映画のおいしいところをうまく取り込んでいる。
やっぱり中古物件は安くてもリスク大。
買う前に前の住人が生きているか確かめよう。
妙な隠し部屋や家具類があったら、もう危険信号。
そこに棲みついた何かがいるかもしれません。
まずは、借りる前にご相談を。
死霊は待ってはくれませんよ。
ちぶ~的死霊を使用度5
適材適所で死霊が使われております。ためがとてもうまいので鬱陶しくないです。そして古めかしさがまたいいのです。