職場の同僚とガストで何時間も仕事の愚痴合戦で帰ってきた夜中の2時。
同僚の話を聞いて、まるで昔の自分を見ているようだと思う。
一生懸命仕事をすればするほど、仕事を押し付けられる。
弱音を吐こうと言う考えすらないから、必死に黙々と仕事に打ち込んでいるとなめられる。
もっと事態は悪化していく。
でも、ほかの人はもっと上手に生きている。
人に仕事を押し付ける奴に限って忙しいアピールをするのがうまい。
そして、上司に媚を売るのもうまい。
そういう奴が昇進し、長く生き残れる。
本当に努力をし、頑張っている人は評価されない。
現実はそんなもんだと分かっても一生懸命頑張っている側からすると毎日毎日怒りが込み上げてくるものだ。
過剰な残業と増えるミスで落ち込む毎日。
ふと、自分は一体何をしているんだろうとバカくさくなる。
そうだ。
こんなクソッタレな会社はいらない。
人生は長い。
世界はここだけじゃないはずだ。
苦しめば苦しむほど抜け出すのが怖くなるけど、負けちゃいけない。
破壊されるな。
むしろ破壊してやればいい。
自分を守れるのは自分だけなのである。
神に対する揺るぎない信仰を持っていた牧師ヨンスに、5才の娘が誘拐される事件が起る。ヨンスは切実に祈祷を捧げるが、結局娘は帰ってこない。彼は神に対する信頼を喪失し、娘が生きていると信じて探し続ける妻ミンギョンまで無視して堕落した人生を生きていく。8年後、ヨンスに一通の電話がかかってくる。死んだと思っていた娘が生きていて誘拐犯と一緒に暮らしている!というのだ。8年の歳月を取り戻すただ一度の機会…。娘を取り戻すためのヨンスの必死の追撃が始まる!
韓国の復讐劇のレベルはそもそも高い。
つまらないとか退屈というものの方が少ない。
そう思って手に取ったのだが、失敗した。
なぜなら見るのが2回目だったから。
でも、最後まで結末は見るまで思い出せなかったのである。
忘却の彼方に行ってしまったラスト。
きっと私にはイマイチ心に入らなかったよう。
もっと心を破壊されるような切なさがあれば、この映画は傑作になっていたかもしれない。
牧師ヨンスの信仰心は娘の誘拐事件によって破壊される。
8年後にあまりに信仰心をブチ捨てていてどうかと思う。
見た目も分からないくらいの変貌。
ワイルドすぎるだろうよ。
すぎちゃんもびっくりだよ。
この男の信仰心は結局その程度ということだろうけど。
私はその妻である母親の姿が一番痛々しかった。
同じく娘を失ったことで心がからっぽになってしまった母親。
心を破壊されても8年も探し続け、生きていると信じている母心はなんとも切ない。
純粋に子供を愛しているのは、この母親だったように思う。
ヨンスの復讐劇は純粋な子供への愛情からとは思えなかった。
贖罪の責任に縛られもがく。
愛しているからというよりは、自分のプライドが先行しているようにも見える。
確かに男は破壊されている。
本当に子供を愛し、幸せを取り戻したかったのならこの方法は選択しない。
ラストのセリフに思う。
破壊されてしまったものは、もう元に戻すことはできない。
時間を取り戻すことができないように。
片づけて一からやり直すしかないのである。
おまけ
ちぶ~的誘拐犯に疑問がある度5
なぜ娘を生かしていたのかがイマイチ分からず。このサイコっぷりは韓国映画っぽいけどコテコテすぎて不自然な気もする。