映画友達が少ない。
軽くて見ている人は多いけど、映画をガッツリ見ている人って少ない。
特にホラー女子は募集しても秋田県にはほぼ皆無。
大好きな映画を語り合える場所が少ないのは寂しい。
「バベットの晩餐会」は、誰かに勧めたくなる映画だったので余計映画友達がもっと欲しくなった。
解説....
フランスでTVの監督をしていたガブリエル・アクセルが10年ぶりにデンマークに戻って作り上げたヒューマン・ドラマ。19世紀後半のデンマークの小さな漁村。プロテスタント牧師の父を持った姉妹の下へ、パリ・コミューン(パリ市民による自治政権)により父と息子を亡くした女性バベットが移り住んでくる。月日は流れやがて、知人にもらったクジにより一万フランを得たバベットは、その金を使い村人たちのために晩餐会を開く……。
壮大な風景。
田舎町に住むささやかで静かな生活。
穏やかな映像に癒され始めたころ....
もしかして退屈になるのではないかと不安になる。
が、料理が始まるとそんな心配は無用になる。
香る料理。
癒されていく人々。
冷え切った体と心にじんわりと沁みてくる。
また冬がやってくる。そんな季節には欠かせない映画の一つになった。
食事は食べることじゃない。
人にとって生きるためだけの行為じゃない。
幸せをもたらすツールになることを忘れてはいけない。
食卓を囲むことは家族を理解しようとすること。
なんの意味もない場所に見えても実はかけがいのない時間を過ごす場所だったりする。
年をとればとるほど、人は頑固になる。
以前は容易にできたことができなくなってくる。
体も心も素直が難しくなり複雑になっていく。
受け入れるということが、至難の業になる。
その象徴的なシーンが晩餐会だ。
小さな漁村の年老いた村人たちは笑ってしまうほど、未知なる料理に恐怖を抱く。
それでもバベットの好意には答えようと必死に耐える。
まだ慈悲の心は忘れていない村人たち。
そんな素朴な愛に答えよ うとバベットが作る料理はまるで魔法のように美しい。
心がとろけていく。
バベットの料理は気付かない間に村人たちの心に栄養を与える。
ただの食事を恋に変える力を持っている。
おいしいだけではない。
本当のお・も・て・な・しに、見返りはない。
見たことのない料理は新世界への冒険。
食事に、愛を与える料理が添えられる。
そう。
やっぱり、愛には幸せが似合う。
寒い毎日だからこそ見てほしい心温まる傑作。
長い冬はいつかは終わる。
そして、また春が来る。
四季折々で料理が変わるように、人生も日々変化していく。
当たり前のようで当たり前じゃない。
だからこそ人生は最悪で最高な宝物だ。
ちぶ~的アニマル料理度5
いろんな動物が調理されていくのは結構怖い。バベットが魔女に見える。そのギャップもクスっと笑えて楽しい。