理由もなく血を抜き取られる。
しかも、人の血を必要以上にぬきやがる。
尿検査では尿を要求され、渡したくもないのにコップに強制的に排尿させられる。
身長と体重を測られ、「ちゃんとご飯食べてる?」などとくだらないことを聞く無意味な問診。
聴力検査では、得体の知れない音を聞かされ不快。
目の検査では見えていないと当たるまで答えさせられたりする。
だからだろうか。
午前中は健康診断。
午後からは会社に戻る。
その間のお昼。
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もう、私はダメなんだと悟った。
ヤメタイ。というか辞めるために働く。
逃亡はできない。
無責任にもなれない面倒な自分。
みなさん、いい仕事がありましたらご連絡を。
今の私の助けを求める懇願度は、「ザ・フライ」のセス並みである。
解説......
科学者自ら行った物質転送実験の際、一匹の蝿が紛れ込んだために起きる恐怖と悲劇を描いた50年代SF映画の秀作「蝿男の恐怖」のリメイク。遺伝子レベルで融合した結果、人間が徐々に怪物に変貌して行く様を淡々と追った非情な演出と、驚愕のSFXはもちろん凄いが、科学者を愛してしまった女性記者の苦悩こそがこの作品の最大のポイントであろう。
「蝿男の恐怖」のリメイク。
オリジナルはまだ見ていない。
"B級映画"を期待したが、完全に大真面目。
苦悩し、人間ではなくなっていく科学者をそれでも愛し続ける恋人。
だけどハエ。
結構グロいハエ。
そのとてつもない歪な愛に、衝撃を受ける。
微妙な転送の科学者セス。
壮大な発明なのに、仲間はいない不人気ぶり。
でも、ジェフ・ゴールドブラムはピッタリ。
色といい目といい、ハエ顔。
後半、もはや誰だかわからんけど。
絶倫がなぜか似合う、鬱陶しさ。
濃い男は、悲劇も似合う。
その恋人役演じたジーナ・デイヴィス。
きっと男の理想の嫁。
内助の功、ハエになっても支えます。
あんなグロッキーな姿になっても「かわいそう」の一言が出る。
そんないい女どこにいますか!?
ええ。いませんとも。
そんなつつましい女性がいるなんて、ただの幻想です。
見た目は関係ない?そんなのキレイごとですよ。
さすがに人間であってほしいです。
苦悩と愛の物語。
笑えるような笑えない本気さがチラつく。
あまりにもリアルなSFX蝿は、口を手で覆うレベル。
どんな姿になっても、どんどん狂乱していっても愛する人を受け入れられるか。
ハエマンに試されている気がします。
ただ一つ不満だったのは......
ハエのハネ。
飛ばせてあげてほしかった。
ちぶ~的出来バエ度5
想像以上のリアルグロと想像以上の悲恋物語。まさかハエに心を掴まれるとは!!