今週末は珍しく予定がゼロだった。
最近の憂鬱ぶりを忘れるために遊んでばかりいたんですけども。
土日はしっかり映画三昧。
そして。
ついに。
見た人が二度と見たくないという映画に着手。
その名は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
あらすじは...
60年代のアメリカ。セルマ(ビョーク)は女手ひとつで息子のジーンを育てながら工場で働いている。彼女に対して理解と愛情を持つ人々に囲まれ満ち足りた生活を送っていた。ただ一つを除いて。彼女は遺伝性の病のため視力が失われつつあり、ジーンも手術を受けない限り同じ運命を辿ってしまうのだった。そのために、内職もしてジーンの手術費用を貯えていた。が、ある日工場を解雇されてしまい、貯めていたお金まで盗まれていた……。歌手ビョーク主演のドラマ。カンヌでパルムドールと女優賞を受賞。
鬱男ラース・フォン・トリアー 監督作品。
「メランコリア」が、私の初ラースだったわけだが.....
これはなかなかの重傷。
エロは全くないが、その分絶望度が高め。
でも。
なんでしょう。
そんなにみんなが言うほどひどくない。
それは、鬱ってるのが伝染ったからでしょうか。
私はビョークを知らない。
だから女優として見た。
風貌はまるで日本人。
歌声は力強く秘めたる想いを感じる。
普通ではない歪さ。(いびつ)
善人だから幸せになれるというのは偽善。
現実とはそう毎回うまくいくものではない。
目に見えているものが実は全くちがうものだったりするから。
その絶望とそこから這い上がろうと希望を持つ姿をお飾りなしで演じたビョーク。
美人な女優では務まらない”説得力”のある演技だった。
友人役を演じたカトリーヌ・ドヌーヴ。
年をとっても凛々しく聡明な感じはこの役にピッタリ。
セルマの悲劇をどん底に落とさぬよういつも手を引いてくれる存在。
最後まで母親のような愛情に助けられる。
若いころの作品を見て見たくなった。
ラースがミュージカル。
ミュージカルは明るいモノだと思っていた。
鬱男が取り入れるなんて意外。
過酷な状況で歌いだす。
そんなことしている場合かっと言いたくなる。
やはりどうしてもそこんとこの違和感は、ぬぐえなかった。
生きることは絶望。
救いはない。
ストレートに見てしまうとそうなる。
残酷で痛々しい。
しかし、それだけだろうか。
確かにセルマは不幸だ。
こんな状況に陥るのは愚かな人間のなせる業。
でも。
友人たちも息子も彼女を愛している。
真実を理屈ではなく、心で知っているのだ。
人は、死んだら終わりだろうか。
それは、そう見えるだけではないか。
ラストの意味。
消えない歌声。
愛は、永遠に生き続ける。
たとえ形が変わっても。
ただ、確かにもう一度見ようとは決して思わない映画であることには変わりありません。
ちぶ~的ネクラ度5
毎回こんな映画とってりゃ病気にもなりますわ。これを見て、そんなに引きづらなかった私も結構重症ですわ。