私って映画も音楽もしっかり座ってきちんと見たいんですよ。
だから、声を出してOK上映とかライブに行ってはっちゃける(死語?)とかが苦手で...
それで楽しめる方が羨ましいんですが、私はどうしても白けてしまう(死語?)のですよね。
だけど、この「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」はシネマパレで鑑賞して心の中では大声を出したくなるくらいの感動がありました。
日本人にとってキューバ音楽ってなじみがない。
そして、私が苦手なドキュメンタリー映画だったので最初は戸惑った。
ありがちな"戦争"とか"苦境"とかを前面に出されても...
とか、思ってしまう荒んだ私。
だけど、これはそういうのがなかったので逆にびっくりした。
ハバナの味のある風景と忘れられた老ミュージシャンたち。
皆、音楽を愛している。
それは、言わなくても伝わってくる。
言葉の代わりに歌声と楽器の音色。
皆、年を取っているのに志は少年少女のよう。
誰も、過去に生きていない。
今をきちんと生きており未来を信じている。
私よりも何十年も年上のイブライム・フェレールさんは、次回のために英語を勉強したいと話す。
私にはそんな一コマが、かなり衝撃的だった。
だって、かなりの高齢なのに....
やっぱり、何かをやり遂げた人は、強い。
年齢や経験など関係ない。
ただ、夢に向かって走ってきた人たちの輝きは死ぬまで消えないんだろう。
この映画を見て、ずっとスペイン語やフランス語を勉強したいと思っていたのに色んな理由をつけて諦めていた自分を思い出した。
何かを始めるのに、遅いということはない。
エンドロールの演奏と歌声に感涙し、視界がぼやけながら言葉には言い表せないほどの込みあげる感情に浸った。
私はまだ若い。
数えきれない将来への可能性がたくさんあるんだった。
映画ではそんな言葉は一つもなかったのに......
音楽は、言語をも超えるパワーがあるんだということを改めて実感したのである。
ちぶ~的キューバミュージック度5
とにかくこの映画のサントラが欲しい!聞くだけで心が踊る!あの心地いい歌声!すべてが最高でした。