この年になると同じ年代の人でも全くかみ合わない人がいたりする。
生きてきた年数は一緒でも内容が全く違うからだ。
頼れる親がいて自立する必要すらない人たち。
それがよっぽど恵まれているということに気付いていない。
むしろ、当たり前であり当然のように思っている。
そういう人を見てうらやましく思うが、やっぱり苦労した方が幸せなのではないかと思う。
つらいことがあるからこそ成長するし、自力で生きようともがく。
それは誰からも教われることではない。
経験するしかない術。
人はみかけによらない。
たとえか弱そうな女子でも本当は強くたくましく生きていたりするものだ。
狡猾に生きている人もいるだろうけど.....
人生って果てしない茨の道。
逃げる方が簡単かもしれない。
「パンズ・ラビリンス」を見て思う。
未来と過去と夢。本当の現実はどこにあるのか。
今の自分はどこにいるのか。
生きるってわからない。
あらすじは....
1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリア(イバナ・バケロ)は、この恐ろしい義父から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出す。オフェリアが屋敷の近くに不思議な迷宮を見つけ出して足を踏み入れると、迷宮の守護神が現われ彼女に危険な試練を与える。
ポップなファンタジー。
なんて思ったら大間違い。
明るくもないし夢のあるファンタジーでもない。
出てくるのは妖精というより妖怪。
かわいいというより怖い。
大人が見るべきダークファンタジー。
そこには現実と幻想が入り混じるグロテスクな世界が待っている。
厳しい現実を生きなければならない少女オフェリア。
逃げ出すこともできず苦しみながらとどまることしかできない。
そこから生まれた世界。
試練を与える羊さんですらそこそこエグい。
自分だったら逃げ出す。
オフェリアは希望がほしくて従う。
生きることに夢を持ちたいから。
まるで日本昔話。
そこにもやはり教訓というものがある。
約束。
勇敢。
意思。
生きるということは試練。
遂げなければならないのだ。
誘惑に負ければ代償を償うことになる。
悪魔は常に近くに潜んでいる。
その弱さに喰らいつくために。
破滅の道はいつもそこにある。
人間は生きてから死ぬまでが人生。
果たしてそうだろうか。
いつから生まれていつ死ぬのか。
本当のところはわからない。
もしかしたら肉体はそうでも魂は滅びないのかもしれない。
だから生きているときはがむしゃらに生きなければ。
始まりも終わりもいつなのかわからないのだから。
果しなく続く永遠の生死。
少女の無垢で大人にならなければならない不安と恐怖が滲み出す。
この世は、澄んだ世界ではないということを独特の色彩で教えてくれる。
抜け出せない迷宮。
それが人生。
ちぶ~的ギレルモ度4
なんだかんだでこの人の世界が好きな気がする。意味わからなんところもなんかグロいから許せる。やたら愛情押しは少々ウザイ。