映画「ミッキー17」を秋田駅前にある映画館、AL☆VEシアター(アルヴェシアター)で鑑賞したのでネタバレありの考察&解説も一緒にお送りしたいと思います!
エドワード・アシュトンの2022年の小説「ミッキー7」が原作。
監督は「 パラサイト 半地下の家族 」のポン・ジュノ。
借金から逃れるため、別の惑星で”使い捨て人間”の仕事をすることになってしまった男の話。
めっちゃSF映画な設定と、ありがちなクローンもの...
ポン・ジュノ監督作品だから期待値は高めなのは分かるけど、なぜここまで評価が高いのかは個人的には世間とギャップを感じたw
スケジュールの関係で、吹替版での鑑賞となってしまいましたのでそちらの感想も綴りたいと思いますよ!
- 映画「ミッキー17」の評価
- 映画「ミッキー17」あらすじ&概要
- 映画「ミッキー17」キャスト&登場人物
- 映画「ミッキー17」の内容と結末を簡単に解説!(※ネタバレあり)
- 映画「ミッキー17」ネタバレあり考察:使い捨て労働者に込められた作品のメッセージ!
- 映画「ミッキー17」が高評価の理由!ポン・ジュノ流アレンジで使い古されたテーマが生まれ変わる!
映画「ミッキー17」の評価
ちぶ〜的評価は…
🐽🐽🐽3ブヒ(ノーマルちぶ〜)です!!
総評:「クリーパーがキモ可愛い!キモ寄りだけどw」
・ストーリー:⭐⭐⭐☆☆
• 演技:⭐⭐⭐⭐☆
・恐怖度:⭐⭐⭐☆☆
世間の評価は...
・Filmarks ⭐️(3.8/5.0) レビュー数:3569件
・IMDb⭐️(7.0/10)レビュー数:62000件
※現時点
ミッキーを巧みに演じ分けていた主演のロバート・パティンソンの演技力を称える声が多かった!
吹替版で観ても、彼の演技力が高いのがよく分かる。
いつものセクシーな感じとは違う雰囲気のキャラが、意外と合っていて適役だったかも。
全体的に濃い目のキャラが多かったけど、今までのポン・ジュノ作品とは違うコメディ感は嫌いじゃなかったよ。
映画「ミッキー17」あらすじ&概要
🎞️ **ちぶ〜の鑑賞媒体:AL☆VEシアター(アルヴェシアター)**
原題:Mickey 17
製作:アメリカ 2024年
上映時間:139分
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ
原作:エドワード・アシュトン
\映画「ミッキー17」の予告編はこちら/
映画の内容!
人生失敗だらけの男“ミッキー”が手に入れたのは、何度でも生まれ変われる夢の仕事、のはずが――!? それは身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務、まさに究極の“死にゲー”だった! ブラック企業のどん底で搾取されるミッキーの前にある日、手違いで自分のコピーが同時に現れ、事態は一変。使い捨てワーカー代表ミッキーの、予想を超える逆襲がはじまる!
映画「ミッキー17」キャスト&登場人物
ロバート・パティンソン |役名:ミッキー
役どころは、契約書を読まずに、目先の自由を求めて”使い捨て人間”になってしまった男。
なかなか奇抜な役だったけど、ものすごいナチュラルに演じていて意外だった!
2枚目の役が多めだけど、今回は情けない男が本当に似合ってた~。
私は、どうしてもヴァンパイアのイメージが強くていまだに思い出すけどw
順調にそのイメージから脱却を図れている気がする!
個人的には、オーラのない脇役も観てみたいかも~w
他キャスト
ナオミ・アッキー |役名:ナーシャ(ミッキーの恋人)
スティーヴン・ユァン |役名:ティモ(ミッキーの腐れ友達)
トニ・コレット |役名:イルファ(権力者の妻)
マーク・ラファロ |役名:ケネス(権力者)
ジョニー・リー・ゴッティ
映画「ミッキー17」の内容と結末を簡単に解説!(※ネタバレあり)
※ネタバレ項目になりますのでご注意を!
ミッキー18は、クリーパーの反乱を止めるために権力者のケネスを道連れに死亡!ミッキー17が最後のミッキーとなり、使い捨て人間製造機は廃止に!
ということで、恋人のナーシャが議員になりハッピーエンドって感じです。
簡単に内容を解説すると…
ミッキーは、ロクに契約書も読まず”使い捨て人間”の仕事を受けてしまう。
体は、リプリント。
記憶はレンガみたいな装置にバックアップを取って、それを毎回脳みそに保存される。
使い捨て人間として人体実験されたり、命懸けがけの仕事をやらされて倫理無視の労働環境に疲弊する。
それでもミッキーは生死を繰り返し、恋人のナーシャに支えてもらいながらそれなりに生きていた。
タイトルのミッキー17は、17番目のミッキーという意味だけど...
いつものように死ぬはずだったところを、先住民であるクリーパーに助けられたことでミッキー17は死に損ねる。
ミッキー17と18が存在してしまい、規約違反状態に。
そんな時、1匹のクリーパーを権力者であるケネス達に殺されてしまったことでクリーパーたちが大量発生し人間達に反乱を起こす!?
規約違反がバレてしまったことで、その収束の任務を与えられてしまうミッキーズw
クリーパーのママに「こちらが1匹死んだのだからそちらも一人死ぬべき。我々がお前達を殺すのはとても簡単。」と脅され、(結局、これはハッタリだったっぽいw)人質になっていた赤ちゃんクリーパーをママにやっとの思いで返す。
で、犠牲になるべき人間は権力者のケネスあるべきと思ったミッキー18は自らも犠牲にしてケネスと一緒に爆破!
クリーパーママ達とも翻訳機で意思疎通を図りながら、共存?
で、結末につながるところで終了します!
映画「ミッキー17」ネタバレあり考察:使い捨て労働者に込められた作品のメッセージ!
※ネタバレ項目になりますのでご注意を!
リプリントが表す労働者
もはや、生き残ったミッキー17も犠牲になった18も本物のミッキーじゃなくなっている気がします。
例え、本物とそっくりにリプリントされた体と引き継いだ記憶で生成されていたとしても本物はすでに死んでいる。
でも、もはや本物とリプリントされた人間の差ってないのかもしれない。
だから「どうせ死んでもリプリントされるから、死んでも大丈夫」という倫理無視の考えになる。
軽薄に扱われる生死が来る時代は、すぐそこにあるかもしれないと思うとめっちゃ怖かった。
これって、要は会社で働く会社員と一緒。
会社員だってある意味、使い捨てられていますから。
代わりなんて、いくらでもいる。
「あなたしかできない」なんていう仕事はなくて、誰でもいいんです。
ミッキーだって契約書にサインをしたからで、別にミッキーである必要はない。
これ、最近自分がよく思うことなのでハッとしましたw
会社のために身を粉にして働いても、全く意味がない・何も残らない。
会社にしてみればたくさんいる社員の中のたった一人の人間のことなんて、表面的には評価しても本当に必要とされる人間なんてごくわずか。
でも、皮肉なことにそんな人間がいないと世の中が回らないのも事実。
誰でもいいけれど、いないと困る。
これが現実。
軽薄になった生死の無意味さへの虚しさが、ここにも現れている。
ただただ消費されていく労働者。
これがリプリントに表現されていて、私は心底切なくなったw
イルファのソースの意味
権力者ケネスの妻であるイルファが一番の極悪人でしたw
クリーパーの尻尾をソースの材料にしたり、やたらソースにこだわっていて魔女にしか見えなかったw
でも、このソースって意味がある気がします。
ミッキーが食事会で呼ばれて、食べた肉は人工肉で美味しいソースが添えられていた。
でも、その肉は本物ではないからゲロる!
本物そっくりの肉に、絶品のソースをかければ美味しくなるのか?
もしかしたら、このソースは、偽物を本物に見せかける社会の虚像を象徴しているのかもしれない。
そもそもソースにクリーパーの尻尾が入っていても誰も分かりゃしない。
実態はいつも見えないということを指している気がした。
権力者であるケネスより妻のイルファの方が、ずっと極悪人というのも...
巨悪の根源は、いつも目立つところではなく影にあると言っているような気もして...
イルファ演じるトニ・コレットの演技がやたら魔女っぽくて不自然だったのでw
そこは、意図を見出すしかないと思いましたw
ちぶ〜が受け取った作品のメッセージ
消耗される労働力、クローンに対する脅威等々は分かりやすいメッセージだと思います。
他の方は、もしかしたらもっと詳しい考察記事を書いているかもしれません。
でも、個人的にはちょっとみんなとは違うかもしれないメッセージを感じました。
それはシンプルに言うと...
今の自分って本物ですか?
ということです。
ラストシーンのミッキーの表情がまさにそれだったので!
現代社会では本来の自分を殺し、自己表現や役割を演じることが求められる場面が多い。
妻とか、母とかね。
そんな中で、本当の自分らしさを保つことって実は難しい!
私も、職場では自分の立場もあるので他人や環境に合わせた自分を作り上げてしまうことがある。
でも、果たしてそれが本物の自分なのか?
この作品が問いかけるのは、まさにその「本物」とは何か、というテーマだったのではないかと思いました。
もっと難しく考える人もいると思うけど、今の自分にはこのメッセージが一番響きましたよ!
映画「ミッキー17」が高評価の理由!ポン・ジュノ流アレンジで使い古されたテーマが生まれ変わる!
率直な感想!
やはり、アカデミー賞を受賞した監督だからなのか...
どこのレビューサイトを観に行っても、平均以上の高評価が多い。
たまに、めっちゃ酷評している人もいるけれど...
要は、一般受けはそんなに悪くないということ。
ん〜...なんでだ!?w
個人的には、そこはちょっと疑問。
正直、テーマはありがちだった。
だって、SF映画にクローン人間って使い古されたテーマじゃないですか。
もっと違うテーマが良かったなぁw
テーマ自体に目新しさがなくて、期待しすぎたせいもあるけれど...
良くも悪くも大衆受けする作品に安易にまとまってしまったなという感じ。
ただ、これはやはりポン・ジュノだからテーマが古くてもここまでの作品に仕上がったことは評価しなければいけないと思う!
きっと、他の監督だったら全然違う作品になったはず。
やっぱり、ポン・ジュノは凄い!
そこは素直に評価したいですね。
高評価ポイントはコレ!
⚫︎ ポン・ジュノが描く独自の世界観と社会風刺
個人的には、別のテーマでも観てみたかった気はするけど…
「パラサイト 半地下の家族 」とも通じるテーマで、労働と格差がテーマ。
視点や切り口が、ポン・ジュノらしさが光っていて興味深かった!
⚫︎ 使い捨て労働者という現代社会とリンクするテーマ
近未来SFながらもリアルな社会問題を反映していた。
「自分の代わりがいる世界」が示す深いメッセージがある!
⚫︎ロバート・パティンソンの演技が圧巻
一人で複雑な役を演じ分ける演技力。
これまでの出演作とは異なる新たな魅力を引き出していた!
⚫︎圧倒的な映像美と緻密なSF設定
近未来ディストピアのリアルな描写は、さすが!
ジブリを参考にしたという、キモ可愛いクリパーが大活躍!
全体的に『インターステラー』や『ブレードランナー』を思わせるビジュアルは、世界観へのこだわりを感じた!
まとめ:吹替版はおすすめしない!
当たり前ですが、字幕版をおすすめしますw
吹替版は、まるでアニメのような演出で引きました…
トニ・コレットなんて魔女キャラになっちゃってコメディ感強めの吹替で、全然作品に合ってませんでした。
字幕版なら俳優たちの演技を直に感じられるし、予測不能なストーリー展開は没入感も高め!
SFファンも満足できると思うし、シンプルな設定ながら考察したくなる仕掛けがたくさんある!
なんなら観終わってからの方が、作品をもっと楽しめるかも?
テーマ自体は目新しさはありませんが、ポン・ジュノの独創的な世界観は見どころがたくさんあります。
この映画を観て、皆さんがどんなメッセージを受け取るのか...
個人的にはそこまで高評価したいと思う作品ではなかったけれど、皆さんがこの作品を観て受け取るメッセージにはめっちゃ興味を持ちましたねぇ。
そこがこの作品の面白さかもしれませんしね。
興味がある方は、ぜひ劇場でご覧ください!
→映画「ミッキー17」は現時点では映画館でしか観れないけれど...
\U-NEXTなら見放題作品数NO,1!/
→映画「ミッキー17」の原作本「ミッキー7」読むならKindle!
\【Kindle Unlimited】は初回30日間お試しで読書できる/
→和風おすすめSF映画の記事はこちら
→ポン・ジュノ作品を楽しみたいなら
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます! ちぶ〜でした!🫰