映画「エミリア・ペレス」を秋田駅前にある映画館、AL☆VEシアター(アルヴェシアター)で鑑賞したので、ネタバレありとなしの感想を綴りながら考察したいと思います!
本国で公開直後から、めっちゃ話題になってしまった作品。(悪い意味で)
主演のカルラ・ソフィア・ガスコンが、過去にSNS等で人種差別発言をしていたということで問題に!
オスカー候補からも除外されてしまった。
演じた役と同様、彼女自身もトランスジェンダーということで話題になっていただけに非常に残念な結果に。
そのせいか、作品自体も酷評の嵐。
確かに、そのせいもあるとは思いますが...
そもそもこの作品は、賞レースに乗っていいような作品だったのか?
個人的には全然ハマれなかったので、その理由も含め語っていきたいと思います!
- 映画「エミリア・ペレス」の評価
- 映画「エミリア・ペレス」あらすじ&概要
- 映画「エミリア・ペレス」キャスト&登場人物
- 映画「エミリア・ペレス」の結末が微妙すぎた!(※ネタバレあり考察)
- 映画「エミリア・ペレス」まとめ:批判され炎上した理由はここにある?
映画「エミリア・ペレス」の評価
ちぶ〜的評価は…
🐽🐽2ブヒ(お困りちぶ〜)です!!
総評:「カジュアルなミュージカルなんていらない!」
・ストーリー:⭐⭐⭐☆☆
• 演技:⭐⭐☆☆☆
・恐怖度:⭐☆☆☆☆
世間の評価は...
・Filmarks ⭐️(3.7/5.0) レビュー数:1161件
・IMDb⭐️(5.4/10)レビュー数:86000件
※現時点
~みんなのレビューをまとめてみた!~
●予想以上にミュージカルシーンが多めだった!
●ギャング映画か、それとも社会派、もしくは性差を超えた人間ドラマか。そんな線引きはどうでもよくなるくらい、ジャンル分けできない作品!
●メキシコで社会問題になってる麻薬抗争、その犠牲者たち...その中に絡んでくる家族愛、友情、そして多様性が描かれた作品!
そうなのよ。
思っていたよりもミュージカル!
ミュージカルが私みたいに苦手な人は気を付けたほうがいいw
トランスジェンダーを描いた作品ということもあり、物語は壮大。
主演の人種差別的な思想は、人間としてはどうかと思うけど...
作品としては、評価するべき部分もありました。
ので、先入観を持たずに鑑賞することをおすすめしたいですね。
映画「エミリア・ペレス」あらすじ&概要
🎞️ **ちぶ〜の鑑賞媒体:AL☆VEシアター(アルヴェシアター)**
原題:Emilia Pérez
製作:フランス、アメリカ、メキシコ 2024年
上映時間:130分
監督:ジャック・オーディアール
脚本:ジャック・オーディアール
\映画「エミリア・ペレス」の予告編はこちら/
映画の内容!
弁護士リタは、麻薬カルテルのボス、マニタスから「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタの完璧な計画により、マニタスは姿を消すことに成功。数年後、イギリスで新たな人生を歩むリタの前に現れたのは、新しい存在として生きるエミリア・ペレスだった。過去と現在、罪と救済、愛と憎しみを絡め、彼女たちの人生が再び動き出す――。
映画「エミリア・ペレス」キャスト&登場人物
カルラ・ソフィア・ガスコン |役名:マニタス、エミリア
メキシコの麻薬王だが、極秘に性転換をしてエミリアとして生きる女を演じた。
第97回アカデミー賞主演女優賞にノミネート。
トランスジェンダーを公表している俳優として、初めてその部門にノミネートされるという快挙を果たしたのに...
共演者のセレーナ・ゴメスに対してもアンチ発言をしたらしく、公の場への登場できなくなる始末。
確かに、自身もトランスジェンダーであることで役柄に説得力を持たせることはできたのかもしれない。
でも、作品を台無しにしてしまったことは人間としてのレベルが低すぎると思う。
俳優たるもの、個人的な発言には注意するべき。
私は、彼女の演技は悪くないとは思うけれど...
ミュージカルには合うとは思えないガラ声と表情の硬さが気になった。
正直、これがトランスジェンダーの役でなければ彼女は表舞台には立たなかっただろうというのが素直な感想です。
ゾーイ・サルダナ |役名:リタ
マニタスを見事にエミリアに変身させた弁護士の役。
ゾーイは、もともと個性的な顔立ちで「アバター」の時もそうだったけどSF映画に出演している印象が多い。
今回は、弁護士役でほぼ主演とも言えるくらいの役柄。
ミュージカルシーンも多く、スペイン語を母国語に持つゾーイは本作でスペイン語の演技に挑戦。
その甲斐もあってか、ドミニカ系アメリカ人俳優として初のアカデミー賞受賞の快挙を達成したのはとても素晴らしいこと!
彼女の熱演は、評価されて当たり前だと思う。
助演というより、ほぼ主演だったと私は思いますけどねw
他キャスト
セレーナ・ゴメス |役名:ジェシー(マニタスの妻)
アドリアーナ・パス |役名:エピファニア(エミリアと親しくなる)
エドガー・ラミレス
マーク・イヴァニール
映画「エミリア・ペレス」の結末が微妙すぎた!(※ネタバレあり考察)
※ネタバレ項目になりますのでご注意を!
内容を簡単に解説
麻薬カルテルのボスだったマニタス。
彼は、何万人もの規模で行方不明者を出す犯罪のリーダー格。
お金も家族も桁外れに全てが揃った人生。
たった一つ、手に入らなかった女性としての人生をリタの協力によって手に入れるけど...
エミリアとして生まれ変わって、今まで自分が行ってきた犯罪行為に後悔を抱くようになる。
そこで、始めた慈善事業が行方不明者を探し出し捜索する団体「ラ・ルセシタ(小さな光)」。
しかも、麻薬王だった時代のコネで探し有名人になっていく...というもの。
結末はこうなった!
エミリアは、子供達に会いたくなってリタに頼んで元妻のジェシーと子供達を親戚のふりをして呼び寄せる。
その結果、ジェシーが子供を連れて恋人と結婚することになり家を出ようとしたのでエミリアがブチキレる!
お金を取り上げられたジェシーは男と一緒にエミリアを誘拐。
リタが身代金を持って救出を図るが、銃撃戦に。
エミリアは、ジェシーに真実を告げ自分の正体を明かす。
それを知らないジェシーの恋人は、トランクにエミリアを乗せジェシーと一緒に逃走。
真実を知ったジェシーがトランクに自分の夫がいると騒ぎ、車は崖から転落し爆破。
3人とも亡くなってしまい、子供達はリタが育てることに。
ラストシーンでは、エミリアが慈善事業に人生を捧げた人として聖人化され讃えられているようなシーンで終了!
ちぶ〜が思う結末の感想
エミリアは、元々凶悪犯罪者で行方不明者を湯水のように出していた張本人。
エミリアとなって罪滅ぼしのために慈善事業で行方不明者の捜索をする団体を設立したのも、その犯罪で得たお金が元手で情報元だって犯罪組織から...
それなのに、何も知らない人たちは彼女を聖人化する。
これを皮肉として描いたつもりなんだろうとは思う。
でも、そうだとしたらもっと腑に落ちない。
とっても気持ちの悪い結末。
女性に生まれ変わったことも、慈善事業を行ったことも...
結局は、欲深く自分本位な愚かな行為の末じゃないか。
全ては自分のため。
何一つ誰かのためにしていることはない。
そこが、私はなんとも微妙な気持ちになった。
人間の愚かさの塊!
もしかしたら、この感想が正解なんだとしたら私は嬉しいんですけどねw
映画「エミリア・ペレス」まとめ:批判され炎上した理由はここにある?
メキシコの背景
実は、メキシコ描写が個人的には一番怖かった!
メキシコってどういう国!?って震える程の描き方だったから。
メキシコには行方不明者が湯水のように湧き出るように存在し、罪を犯した男たちは金の力で裁判で無罪放免になるという現実!
メキシコという国ではこんなことが横行し、腐敗した司法制度に批判するようなシーンもあった。
でも、真実は本当にそうなの!?
監督のジャック・オーディアールはフランス人。
もし、メキシコ人とか実際に住んでいたということであれば批判は出なかったかもしれないけれど...
ちょっとこの描き方は過激すぎて、異国の地で生まれた監督が踏み入ってはいけない領域だった気もする。
ハリウッド映画でアメリカンジャパニーズ的な描写って、日本人が受け付けないのと一緒。
メキシコでは、かなり酷評され炎上したとか...
かなりデリケートな問題なのに、監督がきちんとメキシコの社会情勢をきちんと調査をしたわけでもないと発言してしまったらしい!
問題児は、ガスコンだけじゃなかったってことですねw
トランスジェンダー
個人的には、今の映画って多様性をやたら描きたがる傾向にあります。
確かに必要ですよ?
でも、賞を獲るための道具にして欲しくない。
この作品のトランスジェンダーの扱いに関してもちょっと釈然としなかった。
きっと女性になりたかったというのは嘘ではないだろうし、本質かもしれない。
でも、どうしても「何もかも手に入れすぎた現実から逃避したかっただけでは?」という疑念も拭えないような展開だった。
エミリアが、一人で女性として生きていく物語なら納得できたと思う。
でも、結局は過去の幸せも取り戻したくなるという欲深さは女性になっても変わらない傲慢さの現れ。
この役をわざわざトランスジェンダーの俳優にしたのも、あざとさを感じる。
ただ、これは個人的な見解なのでそういう展開やキャスティングが作品にとって必要だったと言われれば何も言えないんだけど...
要は、私はあまり好きじゃないってことですねw
カジュアルなミュージカル
ミュージカルが嫌いです。
ここまでだと思っていなくて...
しかも、この作品の歌やダンスは全て中途半端に感じた。
どの曲も印象が残らない、パワーがなかったと思う。
多分、自然さを大切にしたせいでカジュアルになりすぎちゃったんでしょうね。
ミュージカルならセレーナ・ゴメスに期待できる!?
と、思ってたのに...
セレーナのスペイン語が下手すぎたせいか、いつもより下手だったw
ガスコンの切実に女性になりたいと願うシーンは素晴らしかったものの、声がガラガラで声域が狭いのが気になった。
全体的に迫力が少なく、わざわざミュージカルにする理由が私には全然わからなかったです!
おすすめはしないけど...
ということで...
賛否両論な作品ではあるけれど、だからこそ見応えがある作品とも言えると思います。
映画「エミリア・ペレス」で描かれた内容は、私と同じように感じる人もいればそれを好意的に捉える方もいると思います。
決して面白くないわけではありません。
見る価値はあると思います。
特に、ゾーイの熱演は素晴らしかったですし劇的な物語は誰もが惹かれるのではないでしょうか。
あまりにも題材がデリケートすぎたために扱いが難しかったことは否めません。
また、ガスコンの問題発言も批判の対象になってしまったことは非常に残念ですが...
作品に罪はありません。
興味のある方は、これを観て何を感じるか...
考えることに意味があると思います!
→映画「エミリア・ペレス」は映画館でしか現時点では観れないけれど...
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→トランスジェンダーを描いた作品の記事はこちら
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます! ちぶ〜でした!🫰