人は、思い出を記録したがる。
写真を撮ったり、文章を書いたり。
今はすぐ消えてしまうものだから、残しておきたいという衝動に駆られるのだ。
私は自分の写真が大嫌いである。
だから、昔の写真を探しても自分が写っているものはほとんどない。
過去の自分を観たいなんて一度も思ったことがない。
そんな私でもやっぱり"想い"だけは残したいと思う。
人にとって記録は、記憶の足掛かりなのかもしれない。
「ある優しき殺人者の記録」もそれのホラーバージョンと言えるだろう。
白石監督の得意分野ではないか。
彼にこのジャンルをやらせたら天下一品に決まっている。
しかも今回は日韓合作作品。
なんだかスケールアップしている気がしてマンモスうれぴー。(古っ)
連続殺人鬼が幼馴染に助けを求める。
ド変態のカップルと何があっても撮り続けるある意味ドSなカメラマン。
意味不明な法則が運命を手繰り寄せる。
これまた私は膝を打ちました。
膝にアザができるほどに素晴らしい。
巨匠、白石...
さては、天才だな。
白石監督らしい容赦のなさに、韓国の残酷さが足された感じ。
痛い。
つらい。
でも、見たい。
そんなハラハラ感がずっと続く。
得体の知れない正体。
その謎の先を求めて追いかけたくなる。
善か悪か。
信じるか信じないか。
その判断はいつだって不安定で不確か。
追いつめられれば追いつめられるほどに自分がどこにいるかさえ分からなくなる。
これは、もしやラブストーリーか。
SF....
いや、やはりホラーか。
と、着地地点が分からない。
それなのに、見終わった後の満足感はなんだろう。
あまり、話すとネタバレになるので語るのが非常に難しい。
ひとつだけ言えるのは...
POV×白石晃士=ただの最高
である。
記憶に残る映画がまた一つ増えたことに感謝したい。
ちぶ~的POVってる度5
久々に白石監督のPOV系映画を観て大満足!監督本人もカメラマン役で出演!しかも韓国語、うまし!!いつか絶対にサインをもらいたいですw