人って何かとても重要なものが視界に入ったときや、危険を感じた時ってスローで見えるらしい。
命の危険を感じたり、例えば恋に落ちてる瞬間ってほんの一瞬なのに脳がスローで焼き付ける。
あの現象って不思議です。
私はそんなドラマティックな経験はありませんが。
こんなことがありました。
前に、不思議なことがあって時間がいきなりスローモーションになったんです。
きっとあれは恐怖体験だったんでしょう。
SF映画みたいに、その瞬間だけ人が忽然と消えたんです。
辺りはグレイで、まるで別次元にいるみたいな。
何時間もそこに一人で突っ立ているような感覚になりました。
私は、その時かなり病んでいたので精神的に追いつめられていたのかもしれません。
今思うと、当時は現実から逃げたくてしょうがなかったんでしょうね。
あそこらへんから、我慢しすぎるのは命にかかわると思ってやめました。
楽しくなきゃ、生きてる意味ないんでね。
まぁ、「アウトロー」のスローっぷりもなかなかでしたけど。
このスローは特に教訓もないですね。
あらすじは.......
真昼のピッツバーグ郊外で無差別に6発の銃弾が撃ち込まれ、5名が命を落とすという事件が発生。警察は事件発生後1時間という早さで、元軍人で腕利きスナイパーだったジェームズ(ジョセフ・シコラ)を容疑者として拘束する。だが彼は容疑を全面否認し、かつて軍の内部で一目置かれていたジャック(トム・クルーズ)への連絡を求める。
トム×アクション映画。
黄金のコラボ。
が、それは予告だけ。
カーアクション映画だと思ってたら、痛い目に遭う。
長い長い時間で、流れ者が本当に流れてく。
眉間にしわ寄せて、彫深いから影ができる。
とにかく渋めに、重低音効かせた声で威嚇する。
それがこだわり。
自分だけの正義を貫く。
それはマイペースともいう。
これが130分。
そのうち、アクションしていたのはきっと3分の1くらい。
ハードボイルドの古めかしさを感じさせながら、のんびりと優雅に行く。
これは、アウトローというよりアウトなスロー。
冒頭から眠気がひどい。
どちらかというと、車をかっ飛ばすよりもバスに乗る方が好きなトムさん。
私もそうだから、ちょっと共感。
と、同時にやる気があるのか疑問を抱く。
体はやっぱり見せ場をつくる。
マッチョも年齢のせいで皮が垂れてるのが気になる。
が、私は焼き鳥の中で鳥皮が一番好きなので大丈夫。
レトロな定番、”不良に絡まれるの巻”。
ビバリーヒルズ青春白書みたいな青年が絡んでくるので笑った。
トムさんは、若者が嫌いなので容赦しない。
身体能力抜群と思いきや、たま~に信じられないくらい鈍感だったりする。
自分的にも予想外らしく、怒り倍増。
必殺、目つぶし!を繰り出されるので要注意。
そんなトムさんだけだと終始飽きたが(楽しみつつも)、後半に登場するおじいちゃん(ロバート・デュヴァル)が大活躍。
言ってること無茶苦茶で老衰寸前。
ジョークの一つも言わないトムさんの横であっけらかんと何でも言う感じ、大好きです。
老後を楽しむって大事。
長生きの秘訣ってそこだと思う。
本当のアウトローはこのじいさんじゃな。
法も証拠も本物の真実にはかなわない。
だからアウトローな奴がいる。
男の正義は絶対にブレない。
自分にとって正しければそれでいい。
真実は儚く脆い。
裁きは正義。
それは、揺るがない男のポリシー。
ちぶ~的ダンディズム度4
年々深みを増すトム。というより色が黒いような。もうすこし、色気があったらと思う。ジェイソン・ステイサムあたりがこの役を演じたら全然違う作品になっていたかもしれない。