『パンデミック後のそれから。』
感染映画なんて死ぬほどある。
大抵は、愛する人が感染してゾンビになってしまって...みたいな話。
これは、そのあとの話。
ある意味新鮮でリアル。
コロナが蔓延している今の世界は、コロナと共存していくにはどうすればいいのかと模索している。
映画は、その後を考えさせる。
感染者が回復者となって社会復帰する時、果たして我々はどこまで受け入れることができるのか。
人間の本質を問われる。
今だけのことを考えている場合ではない。
これから待っている未来を見据えなければ。
そう思わせてくれる作品は多くはないと思います。
感染して、運よく回復者になれば、人間らしさを取り戻し罪悪感も残る。
人間だからこそ苦悩することができる。
でも、その苦悩が回復者を苦しめる。
感染は、誰のせいでもない。
たまたま感染してしまっただけなのに、まるで犯罪者のように扱われるのは現実も一緒。
社会復帰しても、世間の目は厳しい。
また感染するのはないか、むしろまだ治っていないんじゃないか。
そんな差別が当たり前のように蔓延る。
ウィルスと違って人間のそういう疑念や思い込みを消し去る薬はない。
だんだん感染していない人と回復した人が対立していく構造は、映画だからオーバーだけど現実世界でも起きてもおかしくないと思う。
そう考えると本当に恐ろしい。
コロナに感染したことで、本当に差別を受けて苦しんでいる人がいる。
特に、田舎はそういう風潮がある。
今は、自分がまだ感染していないというだけで、いつだれが感染したっておかしくない状況なのに...
一体、何様なんだと思ってしまう。(神様だとでも思っているのか?あん?)
感染者や回復した人を責めるのは間違っている。
むしろ思いやるのが我々の務めではないか。
それが当たり前な世界であってほしい。
そういう気持ちも込めて、この作品を鑑賞することをお勧めします!
ちぶ~的回復者度5
感染していない人も回復者もどちらにも善人と悪人がいるという描き方は、実にリアルできれいごとがなくてよかったですね。
本日紹介した映画は...
CURED キュアード (2017)
THE CURED