私は毎年、横手であきた十文字映画祭が開催されていることは知っておりました。
ですが...
同じ秋田県でも、私が住んでいるところから十文字までは電車で1時間半以上かかる。
しかも、開催時期はちょうど2月で大雪の時期。
だからいつも行くのを躊躇していたのですが...
今回は、私が大好きな白石晃士監督がいらっしゃるということで何としてでも行かなければ!
と、奮起して行くことにしました。
前売り券の一日券を購入し、妹を道連れに電車でレッツラゴーや!
と、当日行ってみたら暖冬なのに横手は普通に雪がありました〜
会場は横手市十文字文化センターホールで、かなり老朽化していて寒かった...
噂だと建物の老朽化していることから、来年以降の開催場所が変更になるとかならないとか。
上映中も機材トラブルで映像が巻き戻ったりと、運営されている方々はきっと大変だったと思います。
この場を借りて感謝申し上げます!
白石晃士監督のお話を間近で見れただけでも感激でした!
監督は、とても正直な方で嘘はつけない性格のようで...
もしかして、私が白石晃士監督作品が大好きなのはそんな性格が作品に出ているからなのかなと思いました。
いつも綺麗ごとを絶対描かないので、見ていて信頼できるんですよね。
他にも皆さんの撮影の裏話や、苦労話が聞けて貴重な時間を過ごせました。
ゲストの皆さんは、仲が良くてとにかく映画を愛しているってことが伝わってきましたね!
本当に今回、行ってよかったです!
「名古屋シネマスコーレ特集 ≪短編4本≫ 」
『花につむじ風』
監督・脚本:野村愛
撮影:馬場元
出演:永瀬未留/相原佳花/田中要次
2019年/25分
あらすじは...
無職の芽依は何かとアンラッキーなことが続く。今日も葬儀の代理人出席の帰り道、ギターを超ヘタクソに弾く高校生と出会う。そこへオヤジたちがいちゃもんをつけ大騒動となる。
(あきた十文字映画祭2019【公式サイト】より引用)
これは冒頭とオチの格差が凄かった(笑)
オープニングの爽やかなイメージとは打って変わって全然違う方向に話が流れる。
あのアンラッキーは、地味に嫌すぎてリアルだったなぁ。
勝ち組と負け組という言葉があるけれど...
結局、そんなのは表面だけ見ていても分からない。
社会から見た時は負けているかもしれないけれど、実際は本当に負けているのだろうか。
っていうか負けてるって何?みたいな。
他人から見た自分より、自分が思う自分って何だったのか。
なんだか、最後は爽快でした。
他人から見た自分が無様でも、別に関係ない。
やっぱり、誰にも譲れないほどに好きなものがあるっていうことは武器なんだなって思いましたね!
『マンドリンの女』
監督・脚本:白石和彌
撮影:辻智彦
出演:岡本砦/湯舟すぴか
2018年/25分
あらすじは...
白石和彌監督が、名古屋で過ごした子供時代の出来事に着想を得て、子供から見た大人達の醜悪な世界を描き切る。
(あきた十文字映画祭2019【公式サイト】より引用)
大人から見た正義と子供から見た正義は全く違う。
大人になればなるほど、くだらない体裁を身にまって狡さを手にして傲慢になる。
子供は純粋で正直だ。
大人には見えなくなってしまったものがよく見える。
社会は大人がつくった残酷な世界。
法律も政治も、決して真実を映し出してくれるわけではない。
子供から見たら、きっとクソくらえな世界なんだ。
あのマンドリンの女の歌がしがない世の中を憐れんでいるようで頭から離れなかった。
『恋のクレイジーロード』
監督・脚本:白石晃士
プロデューサー:白石晃士、坪井篤史、稲穂
出演:田中俊介、宇野祥平、芦那すみれ、
2018年/18分/日本
あらすじは...
田舎道を走るバスに乗り込んだのは、シャベルを抱えた不気味な女装男。男は乗客の頭を叩き潰し運転手に言い放った −−「とめたらアカン。赤信号でもレッツラゴーや!」
(あきた十文字映画祭2019【公式サイト】より引用)
まさに、ザ・白石晃士監督作品という感じだった。
あの汚い絵面で愛を叫ぶ。
もう、最高に面白かった。
それなのに、最後は急に切なくさせるんだから…
さすがです!
予想外だったのが田中俊介君。
あの豹変ぶりはヤバい!
今後、大化けする予感。
ヒロインの芦那すみれちゃんは初めて見た気がするけど、かなり強烈。
あの目つき、カッコよかったなぁ。
今後も、白石晃士作品に参加してまた別のキャラを見てみたいなって思いました。
トークショーでこの作品のリブート版「恋するけだもの」も撮影したとおっしゃっていたので、ぜひそちらも見てみたいです!
『劇場版シネマ狂想曲 名古屋映画館革命』
監督:樋口智彦
出演:坪井篤史、白石晃士、松江哲明、カンパニー松尾、他
ナレーショ:竹中直人
2017年/65分/日本
あらすじは...
名古屋テレビ放送が制作したドキュメンタリーの劇場版。名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」の副支配人・坪井篤史氏に密着し、映画愛にあふれる坪井氏の生き様を描く。
(あきた十文字映画祭2019【公式サイト】より引用)
正直、このドキュメンタリーが一番衝撃的だった(笑)
シネマスコーレの副支配人、坪井篤史氏。
秋田にもシネマパレがあったので、感情移入してしまった。
とにかく、映画を愛していて映画人に愛されている彼の魅力がたっぷり。
あそこまでの映画愛と個性があるからこそ、シネマスコーレが生き残っているのだと思う。
そんな映画館がある名古屋はとても幸せですよね。
個人的には、あのVHSコレクションが印象に残った。
ホラー映画は、特にDVD化されずVHSしかない作品がたくさんある。
VHSホラーは、私にとっては未開拓のジャンルで入りたくても入れないので非常に羨ましかったですね!
以上、短編4本のレビューでした!
トークショーが終わってからサイン会もありまして、憧れの白石晃士監督と握手してもらいました。
サインもいただき、監督のファンだと言えて、とても幸せでした。
また、ぜひ秋田に来ていただきたいです。
これからも白石晃士監督を応援していきたいと思います!
ありがとうございました☆
次回は、松本優作監督の「Noise ノイズ」の記事を送りします。
お楽しみに~。
ちぶ~的映画祭満足度5
十文字映画祭、楽しかった!普通、秋田では上映されない作品を見ることができて本当にラッキーでした!