『真実よりも大切なこと。』
とにかく暗い。
劇中はずっと雨。
晴れることのない絶望的な時代を投影しているかのよう。
どんよりした事件にどんよりとした一人の男。
事件にのめりこんでいく男の執着が一番怖い。
ずっと犯人は誰かというところに視点を置いて見てしまった。
でも、この作品は真実よりも真実に近づこうとする男の話だった。
事件にのめり込むあまり、自分を見失なってしまう怖さ。
真実まで歪ませてしまう程に、彼が執着してしまったのは一体なぜか。
当時の中国の社会情勢を知らない私にはピンとこなかったが、きっと中国人には響くものがあるのだろう。
迫り来る嵐は、時代の荒波にもまれた人々の悲劇だ。
謎解き映画としては不向きだが、視点を変えて見て見れば見ごたえのある社会派ドラマだったのかもしれない。
ちぶ~的殺人鬼度5
それでもやっぱりはっきりと殺人鬼の正体を知りたいと思ってしまうのは私だけでしょうか(笑)
本日紹介した映画は...
迫り来る嵐 (2017)
暴雪将至/THE LOOMING STORM
- 監督 ドン・ユエ
- 1997年の中国。小さな町の製鋼所で警備員をしているユィ(ドアン・イーホン)は、若い女性ばかり狙われている殺人事件に興味を抱く。警部から捜査情報を手に入れたユィは、犯人を自分で捕まえようと意気込み、捜査にのめり込んでいく。ある日、ユィは犠牲者が恋人のイェンズ(ジャン・イーイェン)に似ていることを知る。
(Yahoo!映画より引用)