『不完全な自分を愛すということ。』
かぶり物を被って自分の顔を隠す男、フランク(マイケル・ファスベンダー)。
そんな男に魅了されるジョン(ドーナル・グリーソン)。
自分を隠すことで自分らしさを保とうとする。
ちょっとヘンテコだけど、なんだか共感できてしまう不思議な感じ。
それは、きっと誰もがその気持ちを少しは理解できるからではないか。
だって、本当の自分って自分も知りたくない怖い部分だってあるんだから。
なぜ、ほぼかぶり物を脱がない役なのにイケメンを起用したのか。
最初は不思議だったけれど、最後まで見て思った。
人間って目の情報量が多いから、どうしても見た目で判断してしまう傾向にある。
その人の中身は、時間をかけないと分からない。
見た目という情報は偏見を持たせてしまいがちだ。
見た目が人より優れている人は、自分の見た目にあまり興味がないのかもしれない。
だって、もっときれいになりたいっていう願望は生きていく上で必要がないから。
そうすると、周囲の人間が見た目を重視している姿に幻滅することが多いのではないだろうか。
かぶり物をして、見た目を隠し自分の中身だけで生きていく。
それはきっとイケメンなフランクにとって自由を得ることだったんだ。
人間は生きていくうちにどこかが壊れていく。
それでも生きていく。
自分と向き合いながら。
犠牲を伴わず、ただの自分を愛すということは決して簡単なことではない。
シュールなコメディドラマだったけれど、自分自身について考えさせられる映画だった。
会社では猫をかぶっている私は、特に心に響きました(笑)
ちぶ~的かぶり物度5
なぜあの顔なのか。ちょっと気味が悪いのに、あの音楽とあの顔が癖になって目が離せなくなりました。
本日紹介した映画は...
FRANK -フランク- (2014)
FRANK
- 監督 レニー・アブラハムソン
- あらすじは...
- フランク(マイケル・ファスベンダー)は、常にシュールなかぶり物をかぶっている不思議な男。フランクがリーダーを務めるバンドに加入することになったジョン(ドーナル・グリーソン)にとって、フランクは妙に魅力的な存在だ。そんなある日、バンドの映像がインターネットで話題になり、アメリカの音楽フェスティバルに招待されることに。ところが突然、フランクが様子が変になり……。
(Yahoo!映画より引用)