この日は朝から雨がジャンジャン。
そんなときは映画がいい。
映画館でしっとりと静かにじっくりと鑑賞できるから。
まぁ、私の場合はいつなんどきも映画日和かもしれませんけどね。
小津安二郎監督作品は、「東京暮色」 しか見ていない。
しかも、それはどうやら一番暗くて特殊らしい。
こちらはたぶん小津スタンダード系の作品なので、とても見るのに勇気がいった。
が.....
観ましたとも。
いつものようにシネマパレで、見たんだが。
多分、これは劇場で見なければ爆睡必至である。
非常に単調で静か。
日本語がしっかりと伝わってくる。
私が最後まで見れたのは、最近この時代の映画を観ていて慣れてきたからだと思う。
あと、観る前にコーヒーをガブ飲みしたからかも....
そして、この映画の内容も少し自分にとってはタイムリーだったからかもしれない。
嫁入り前の娘を持つ母親。
とっても迷惑な3人のオヤジ。
小津監督作品なので、高級で上品な話かと思っていた。
違う。
これは、結構下衆な話である。
しかも意外なことに結構笑ってしまう。
掛け合いの中に、絶妙な間があってそこがツボだったりした。
言葉は綺麗めだけど、ただのすけべ親父の会話。
世の中は、こういうお節介がいるから面白くなるのかと思ったりして。
母親役の原節子は、私の好みのタイプではないが凛とした美しさがあった。
絶えない笑顔に大女優の風格あり。
娘役の司葉子はもちろん美人だったが....
私は、友人役の岡田茉莉子のキュートさにノックアウトされた。
お目目真ん丸で華やかでハッキリとして物言い。
あの可愛さは犯罪級である。
どのシーンも一コマ一コマにこだわりを感じる。
小道具ですら今見てもお洒落だ。
映画の色彩もとても鮮やかで美しかった。
それが今も愛される小津監督の魅力だと思う。
結婚することになった娘を見送る母親。
自分の時は、ハイスピードだったのでそんなしんみり感は全くなかったのですが。
娘と母親って儚いですよね。
息子だったら全然違うでしょう。
そう思うとなんだかホロリ...
最後まで小津監督作品を観れるようになった自分をとにかく褒めたいと思います。
ちぶ~的小津度5
難易度高い小津作品は、劇場じゃないとなかなか難しい...あの棒読みはわざとか否か。気になる所です。