誰かの妻になったからって女は誰かのものになるわけじゃない。
それなのに、「妻」という呪縛は一人の人間の価値自体も時に否定する。
結婚しても自分は自分のものなのに。
窮屈そうに生きている人を見ると、なんだか申し訳ない気持ちになる。
相手にもよるんだろうが、何事も自分の決断次第でことは進んでいることを忘れてはならない。
「清作の妻」を見て、より一層自分の決断力ってものが人生に多大なる影響を及ぼすということを学んだ。
若尾文子という女優の偉大さを思い知る。
こういう切り口があったのか。
戦争が女を追いつめ、生活が愛を苦しめる。
ここでもなかなかのビッチっぷり。
白黒映画なのに、美しさが眩しすぎる若尾様。
そりゃぁ、嫌われる。
嫉妬と好奇心にさらされながら、あらわになっていく女の本性には圧倒されることしかできないだろう。
生きるために自分を失っている女。
自由を手に入れたとき、初めて本当の愛を知る。
いや、本当かよ。
って疑うのは、私は鐘を突く男にセックスアピールを感じないからである。
いや、だれも感じないか。
とりあえず、老人から青年を知った女は危険。
男らしく爽やかで実直な青年。
誰もが自分を敵対視する中で、たった一人自分の見方がいたら誰だって救われるものだ。
しかもイケメン。(と思われる)
ハマっちゃうのはしょうがない。
が、普通の女はここまでハマれるのかが疑問。
情熱的すぎる愛は、熱過ぎて焦げてしまう。
独占欲で満たしたくなる危険な欲は、破滅一直線。
えぐりだされる人間の愚かさの中で....
あゝ怖い。
と、震える。
これが女。
それが愛ってやつなのか。
そうだとしたら愛って思った以上にグロテスク。
そして。
ただの反戦映画ではない展開に納得しきり。
生きるということ。
愛するということ。
それは答えがないから怖ろしい。
正解が存在しないからこそ不気味。
はぁ~。
またしても傑作を見てしまいました。
ちぶ~的ビッチ度5
親のためらしいがどう見ても親孝行な娘にも見えなかった若尾姐さん。それでも男が放っておけないのはあの美しさのせいなんでしょう。そうなんでしょう。
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