毎週レンタルしたDVDの返却期日に間に合わせるために必死。
そんな切羽詰まった状態にさすがに疲れた私。
今週はゆるりと行こうぜ。
ということで無料キャンペーン中の動画サイトで映画を適当に鑑賞。
そんな日もないとやってられんのよ。
で、午後からはやっぱり吹雪と戦いながらもシネマパレ へ。
店長激推しの「砂の器」。
名作と名高いと言われると目が横になる。
そんな私でもやっぱりこれはずどんと来ましたよね。
「砂の器」というタイトルを知らない者はいないだろう。
松本清張原作の中でも著名な作品。
一つの殺人事件から見えてくる人生という名のミステリー。
観ても思い出せなかったけど。
それくらいこのオリジナルは飛びぬけた名作中の名作。
別格とはこのこと。
私の横になった目も縦になって涙が止まりませんでした。
まず、私の地元に近い羽後亀田駅に萌えた。
まさかのチョイス。
あそこは無人駅だった。
駅員すらいない。
停車するときとしないときがある。
そんなマニアックな駅。
よくぞこの作品のためとはいえ見つけてくれましたと松本清張を褒め称えたい。
そこからまた進んでいく事件の真相から目が離せない。
まさかここからあそこにいくとは...
と、目からウロコ。
丹波さんの熱い解説を聞くまでは私は何も分からなかった。
予想もしていなかった。
まさに宿命。
宿命なんですよ。
親と子。
放浪の旅。
やめて~と止めたくなるくらいに痛い。
それは抽象にすぎず、本来の意味は人間の悪意だろう。
男は呪った。
自分の運命を。
原因を。
存在を。
すべてが遅すぎた。
苦しみで染まった心に注がれた愛は、まるで水と油。
生まれる音楽は無音の人生。
自分の宿命。
受け入れられなかったその罪と罰。
本当の苦しみには言葉がない。
そんなものは無意味と言いたげだ。
生きることが男にとっては苦痛だったのかもしれない。
だからこそ音楽の中で生きた。
ピアノの音色がすべてを語る。
男は何を守ろうとしたのか。
涙がこぼれて前が見えない。
きっと男は見たくなかったのだ。
過去も未来も現在も。
ピアノにぶつけたその激動の人生をただ生き抜くしかなかったのだ。
なんということか。
この名作...
伸ばす手に。
叫ぶ声に。
溢れる涙に。
感動しない者などいない。
いつか必ず崩れる砂の器。
何を入れても無駄だと言うことは最初から分かっていたのに。
人間はなんて脆い生き物なんだ。
なんて愚かな生き物なんだ。
手から抜け落ちる砂のように、何も留めることはできない。
人間の心もまた砂の器なのです。
ちぶ~的俳優にハイ度5
寅さん!御前様!ぎゃほ~となること間違いなし。丹波さんの迫力の棒読み!鬱陶しいほどの二度聞き!驚くなかれ!森田健作氏の無駄な熱意!素晴らしい!完璧でございます!