売られた喧嘩は買ってやろうじゃないか。
それは礼儀とも言える。
きちんとお返ししますとも。
どこまでも続く戦い。
戦うことで済むのならそれでよし。
自分だけが滅入るなんて御免です。
礼儀や人情は失いたくない。
この戦い、終わりません。
「仁義なき戦い」も終わりは見えぬ男たちの戦いでございまする。
ヤクザ映画入門編。
男たちのクズでクソで汗臭い戦い。
あの音楽が聞こえるだけで爽快。
戦争映画にも見える。
殺して殺してその先に男たちが目指すものはあるのか。
ラストシーンが超絶かっこいいヤクザ映画の金字塔。
ずっと薦められていた。
だけど、私は分かっていた。
これ系はとても苦手なのだ。
特に戦争映画は鬼門。
男子が好む世界。
私は意外と女子なのだ。
自分でも意外だった、「人斬り与太 狂犬三兄弟」 は見れたことに。
なぜだろう。
正直に言う。
大きな声で言えないが、私は「人斬り与太 狂犬三兄弟」 の方が胸を掴まれた。
冒頭があんなにもクソなのに、いやずっとクソ野郎なのに。
文太兄貴に惚れたのだ。
あの愛に。
これには、そういう色っぽい部分がないからなのかもしれない。
ストレートで男まみれの美学で塗り固められている。
もちろん、文句なしの名作だろう。
進めば進むほど、だんだん面白くなる。
コメディかもしれないと思ったりもする。
だって松方兄貴のビビリっぷりは、コントより笑えるじゃないか。
だけど、女を全く寄せ付けない男たちの戦争。
あたい、やっぱり女じゃけぇ...
ま、結局は好みってことじゃけんのぅ。
仁義と言いながらこの世界にはそんなものはない。
アニキと呼びながらそこに本当の人情はない。
欲望が渦巻く男たちの世界に、女は必要ない。
男たちにとっては女も欲望の一つにすぎない。
悪しきクズだらけの世界へようこそ。
あのラストシーンのかっこよさにぶちこわしたいこの世界のモロさが見える。
カッコ悪くてかっこいい。
傑作であることは間違いない。
ちぶ~的クズ度5
松方兄貴のクズっぷりが一番好き。邦衛も相変わらずクズ。ああいう人イソギンチャクみたいなやつって危険人物よね。