うちは姉妹である。
同性のキョーダイって複雑かもしんない。
4つ離れているからそこまで近すぎるわけじゃないけれど。
同じ親から生まれたキョーダイ。
心強いし、時には鬱陶しい。
分かっているようで分からない。
だけど、かけがいのない自分の一部なのだ。
「ゆれる」の兄弟愛。
こっちは男兄弟だけど、キョーダイがいる人はきっと共感しきりだろう。
西川美和監督の「蛇イチゴ」も素晴らしかったわけだが、これはその次元を超えていた。
なんだよ。
やべぇよ。
オダジョってこんなにいい男だったのかよと冒頭から頭がガンガン揺れまくり。
一瞬で恋に落ちましたよ。
いいな、あんなエロいい男に会いてぇよ。
と、かっこよすぎるPVみたいな映像に惚れ惚れ。
で。
それだけじゃないからすごいんだ、この映画。
どんどんシリアスに向かっていく。
全然予想していなかった展開にグイグイ持ってかれる。
庶民的なエロスが漂う真木よう子が、兄貴役の香川照之を物語の核心へ誘い込む。
橋が揺れる。
兄弟愛がゆれる。
心がユレる。
二人の兄弟。
向き合っていたはずなのに、いつの間にか背を向けていた。
小さいころはあんなに単純だったのに、今は見えないくらいに複雑だ。
つまらない劣等感と意地が邪魔をする。
自分意外に一番自分に近い人間を認められない。
同じ血が体に流れ、同じ場所で一緒に生きてきた。
記憶が手元になくても、心臓の奥底にその兄弟愛はしっかりと埋め込まれているのだ。
あのラスト...
泣かずにいられるわけがない。
震える涙に笑顔が包み込む。
これが兄弟。
キョーダイ愛なんだ。
余韻に揺られ、立ちたくなかった。
シネマパレのフィルムの温かさと共に、また私の映画史に残る傑作がこの場所で生まれたのです。
ちぶ~的ユラユラ度5
オダジョに心を奪われてユラユラ。真木ちゃんの恋心にユラユラ。兄弟の行方にユラユラ。もう、揺れすぎて酔っちゃいますよ~。