フェンスの向こう側。
そのフェンスがあるかないかでは大違い。
近いようで遠い。
その壁がきっとなくなることはない。
数字にもできない差がそこにはある。
時々、そんなことを思い途方にくれる。
私の弱虫がパニくる。
これでいいのだろうか。
そんな自問自答の繰り返し。
それでも、時間は当たり前のように過ぎていく。
最近、それが一番の恐怖だ。
「フェイズ IV/戦慄!昆虫パニック」も気づいたらラスト。
ツタヤの発掘良品コーナーで発見。
ずっと気になっていた。
虫虫パニック。
のはずだった。
序盤から困る。
蟻ばっかりってアリな淡々映像の数々。
そもそも虫が苦手な私にはキツイ。
じんわり殺っていく。
これは新しい怖さです。
これ、NHKとかでよくやっている虫の生態観察だろうか。
と、本気で思うくらい蟻のドアップが多い。
確かに、それで蟻を知ることはできる。
だけど、ドアップはコワい...
どうやって撮ったのか想像もつかないくらいの映像にこだわりを感じる。
蟻って演技できるんだろうか。
正直、もっとパニック多めを期待していた。
とことん地味。
パニック映画なのにパニックしていない。
少人数にありんこの襲撃。
それが、シュールなラストにつながっていく。
少々退屈する。
だけど、一言で片づけられない不思議な魅力がある映画。
蟻が襲うという発想のセンス。
蟻に語らそうとする本物の蟻を使った蟻ドキュメンタリー(風)。
黄色い粉が舞う。
あっけない不気味なラスト。
群れで行動し、主に仕える小さくて力持ちな蟻たち。
本当は人間なんかよりもずっと賢くてしぶとい生命力。
なぜ蟻だったのか。
そんなことを考えてにやにやする。
ちょっと奇妙な昆虫パニック映画。
この奇妙さに、マニアック的魅力を感じるのは私だけではないのではないでしょうか。
ちぶ~的ありんこ度5