いつもなら休みの曜日に出勤。
というのはとてもつらい。
ブーブー文句を言いながらみんなが休みの日に働く....
な~んにも楽しくない。
ダラダラ仕事をしていたら、笛の音。
尺八!
と、思ったら会社の前を神輿が通る。
そうだ。
今日から竿灯祭りだった。
お祭りの笛の音。
さらにヒュルル~な気持ちになりましたとさ。
「編笠権八」の雷蔵様はスタイリッシュに吹いて魅せますけどね。
こりゃまたアクション時代劇!?
と、思ったら全然違った。
メロメロのコテコテの直球な恋物語。
出会ってはならなかった二人。
悲しき運命が二人の邪魔をする。
あぁ。
恋って落ちるものなんですね。
逆らえないんですね。
何もかも捨ててしまえるんですね。
と、奔放になる真夏にはもってこいの作品です。
....多分。
なんてカッコイイ奴なんだ。
市川雷蔵様演じる凄腕の剣士、志賀原権八郎の一匹狼っぷりに惚れる。
誰かに仕えるのは好きじゃないからと剣の修行に生きる男。
言い換えれば格好がいいプー。
もし、私の彼氏だったら強く就職を薦めるだろうが女という生き物はこういう男をカッコイイと思ってしまったりする。
恋の病のせいかもしれない。
または、自分にないものを求めるDNAのせいかもしれない。
恋というのは、怖ろしい。
人生を変えてしまう。
自分が分からないくなるくらいの威力。
何もかも見えなくなる。
恋は、ロマンティックと言えば美しく聞こえるが、一種の病気でしかない気もする。
その紙一重感がやはりコワすぎる。
だって、相手を好きになってしまったらすべてを受け入れてしまうのだから。
劇中、権八郎がいきなり笛を吹いて見せるシーンがある。
女はうっとりする。
私もつられてうっとりしそうになる。
が。いや、待てよ。
これはこの時代のセックスアピールなのか。
と、なんだかおかしくなる。
雷蔵様だから成り立つのか、好きな男だから何をしてもいいのか。
どちらにせよ危険である。
ピュルル~と目の前で笛を吹く男はどこかおかしい。
と、普通の人は思うのだから。
いや、この時代のナンパ方法が笛吹きだったらなんとも言えませんけどね...
ほぼ1時間に凝縮された恋物語。
恋が濃い。
純粋で清らかな二人の眼差しが熱い。
本物の恋に犠牲と覚悟はつきものなのかもしれない。
すべてを失ってもあなただけは失いたくない。
という盲目、思い込みは恋に必須。
だけど、その必須条件には消費期限がありますから注意しなくてはなりません。
ちぶ~的笛吹き度5
ほらは吹かないが笛は吹く。無職だけどチャラ男ではなく誠実な男なのでご安心を。