昔、一人暮らしをしていたときは自炊をしていた。
毎日お弁当も作っていた。
一人だと必然的にやるしかない。
家を出るまでは料理を全くしたことがなかった。
だけど、意外にやろうと思えばできるものなのである。
まぁ、料理本を見ながらシャレた料理を作るなんてことは到底無理なんですが...
冷蔵にあるもので適当につくる術は身についた。
多分、母よりはバリエが多い。
料理を母にちゃんと教わったことがなかったけれど意外に舌が記憶してたりする。
それってなんだか不思議です。
「大統領の料理人」は、フランスお得意の題材なのにどうしてこうなってしまったのか不思議である。
フランス大統領官邸史上唯一の女性料理人の実話を基にした作品。
事実だから仕方がないのだろうが、あまりにも地味すぎる。
劇的な展開がなく、期待した軽快さが後半で失速していくのが残念で仕方がない。
求められたおふくろの味。
素朴で懐かしい味。
誰もが忘れない幸せになれる料理を創りだす女性シェフ。
よくも悪くも最後まで女性なのだった。
言うまでもなく、カトリーヌ・フロ演じる女性シェフのオルタンスの料理はどれも芸術作品のようだ。
文化の違いなのかこの劇中に出てくる料理のどこがシンプルでどこが派手なのか全く分からないのが面白い。
日本人にしてみれば、フランス料理はどれも派手で過剰に見える。
それだけ日本とフランスの料理はかけ離れたものだということだろう。
でも、見ているだけでウキウキして画面に手を伸ばしたくなる料理はさすがだ。
大統領が求めた料理を大統領のために作るオルタンス。
料理人としての喜びは非常にシンプルなものであり、プライドだったのかもしれない。
女性という壁。
制限された中での料理。
本当に自分がしたいこと、求めていることができない葛藤。
彼女が求めたのは自由とやりがい。
それは当たり前かもしれないけれど、それでもやってのけるという女の意地が見たかった。
実話だから仕方がない。
だけど、実話だからこそもう少し夢を見たかったなぁと思ってしまうのはわがままでしょうか。
ちぶ~的グーグー度5
夜中に見たら腹減ること必至。料理はどれも見た目からグッドです。オルタンスがもっとブチギレてくれれば料理と同じぐらいグッドだった...