人は弱っているときに優しくされるとコロっといく。
ひねくれている私には関係ない話だが。
甘い罠ってやつには気を付けましょう。
弱っているときが一番危険。
恋は盲目ってやつと似ている。
目が曇っていたらきちんと拭きましょう。
と、言ってあげたいのですが言えないのでここで....
「蛇イチゴ」も言葉では言えない兄弟愛が好き。
解説....
明智家の娘・倫子は、幼い頃から真面目で優秀。現在は小学校で教師をしており、同僚で恋人の鎌田との結婚を控えている。そんな彼女は働き者の父、優しい母、ボケてはいるが明るい祖父に囲まれ、平穏な毎日を過ごしていた。だがある日、痴呆の進んだ祖父が亡くなり、その葬式に10年間も行方知れずだった長男・周治が姿を現わしたのをきっかけに、一家の和やかな雰囲気が一変する。やがて、世渡り上手の周治は、家族に内緒で多額の借金をしていた父の窮地を救い、家に迎えられるのだが、倫子だけはお調子者の兄をどうしても受け入れることができずにいた…。
思いがけない拾い物。
色んな愛を描いた映画があるけれど、男と女のキョウダイの話ってあまりなかったような。
ちょっと距離があるキョウダイ愛にホロリ。
幸せそうに見えた家族。
理想と現実。
実は重いのにさらっと温かみのある家族劇に仕上げた監督の手腕にひたる。
びっくりした。
誰もが素晴らしい演技。
配役が神すぎる。
見直した。
兄貴を演じた宮迫博之を。
ずっとわざとらしい演技が気になっていつも避けていたのに。
全く違和感がない。
怪しくどこか寂しげなところがまさに役そのもの。
一番のお気に入りは明石家さんまの師匠である笑福亭松之助演じたボケたじいちゃん。
好きすぎる。
コメディセンス抜群やないか。
父役の平泉成の情けなさも最高に愛おしい。
サッカーならきっとW杯で優勝したであろうチームワークのよさ。
監督、西川美和氏の偉大さを初めて知った。
そして、今まで知らなかったことを恥ずかしく思った。
うちは姉妹。
女キョウダイってのもそれはそれで面倒くさい。
距離感はないから楽な部分もあるけれど。
デリケートだったりする。
男と女のキョウダイは、きっと性別が違うということもあるしちょっと違う距離がある気がする。
出来のいい妹と不出来な兄。
いい子ちゃんとアウトロー。
同じ血が流れているのに全然違う。
きっとお互いがお互いをどこかでうらやましく思い、疎ましくも思う。
親とは違った絆で結ばれたキョウダイ。
まるで自分の分身。
認めたいのに憎たらしくて。
近いのに遠くって。
そんな複雑なキョウダイ愛が切なくて温かい。
蛇の近くにある蛇イチゴ。
ろくでなしにもある良心のような甘酸っぱい感じ。
ラストの余韻が残すほのかな香り。
やっぱりキョウダイはキョウダイなんだなぁ。
反射する光が目に染みたのはなんでだろう。
共感ってこういうことを言うのかもしれない。
ちぶ~的ジェンガ度5
立派に見えるものは実はジェンガ状態。一つ抜くと大変なことに。そこを悲観しすぎない描写だったのもまたうまいと思う。